柳美里
柳美里プロフィール&ガイド
柳美里(ゆうみり)―1968年生まれ(56歳)。茨城県土浦市出身。劇作家、小説家。
劇団「東京キッドブラザーズ」を経て、1988年劇団「青春五月党」を旗揚げ。劇作家、演出家として活躍し、その後作家へ。
1993年『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞、1996年『フルハウス』で第24回泉鏡花文学賞および第18回野間文芸新人賞、1997年『家族シネマ』で第116回芥川賞、1999年『ゴールドラッシュ』で第3回木山捷平文学賞受賞。
なんでスキャンダルを呼びたがるのかよく分からないのですが、偏見なく『ゴールドラッシュ』から行ってみてください。もちろんスキャンダル好きの人は『命』からでもいいです。家族の問題を考え続けている作家。決して居心地のいい場所ではなくってね。
関連作家・似てるかも作家:桐野夏生 浅田次郎 多和田葉子 桜木紫乃 山本文緒 若竹千佐子 辻村深月 小川洋子 馳星周 重松清
柳美里おすすめ本ベスト3
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酒鬼薔薇事件からインスパイアされたという長編。社長の跡取として溢れる金と不適切な待遇に囲まれて育った14歳の少年が、人を殺す。共通するのは劣等感の裏返しである万能感。社会問題丸ごと添付という雰囲気も○。文学(小説)
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部屋の床壁天井をタイルで埋めつくす男は、モザイクという細密な狂気を体現する。切れ味良い文体で不安を煽る「ホラー純文学」で一息に読ませる。「女流作家」が描く官能小説が溶け始めるクライマックスは大迫力だ。文学(小説)
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家族という幻想ニ短編。マイホームを建てた父は寄りつかない娘達を目に、ホームレスを住まわせる。家庭回復だとか言葉にしない醒めた視線が怖い。奇妙に人形的な人物造型が不快ですらあるのだが次第に心地よくなる。文学(小説)
柳美里レビュー一覧(16冊)
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『命』四部作最終章。葬儀が執り行われる間も、東氏の声を何度も呼び起こす。周囲の暖かな支えに「これで気づかなかったらアホだぜ」ってとこなんだが、気づくのは己が愛の日々。終盤の声しかなくなる場面は圧巻だ。文学(ルポ)
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癌死を看取る勇気も母親としての自覚もどこかなおざりにしたまま、美しかった想い出を温めなおし、愛する人が消えてしまうことにただ怯える弱さ。それゆえ物語は赤剥けてて、痛みを押し付けられる読書体験ができる。文学(ルポ)
柳美里の新刊・近刊
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2021-08-10角川春樹事務所 ハルキ文庫「近所を散歩したとき、私はついに、窓のある書店を見つけたのだ。店内には一匹の猫がいる」 ──二十五年前、二十八歳のわたしは、まさか、自分が書...
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2021-02-08河出書房新社 河出文庫誰か私に、生と死の違いを教えて下さいー電車の中、携帯電話の画面を見つめる少女、市原百音・高校一年生。形だけの友人関係、形だけの家族。「死」に...
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