東野圭吾『秘密』レビュー
書誌情報

秘密
1998/09
NDC:913 | 文学>日本文学>小説 物語
目次:秘密
レビュー
娘の体に妻の魂が宿るというオカルトな設定ながら自然体でハートフル。嫉妬や軽蔑、身も蓋もない感情も家族小説としてのそれで、だからこそ父・夫の想いがリアルに響く。父の決断(あるいは秘密)にはもちろん泣いた。
読了:2005/11/06
長めの感想
東野圭吾『秘密』。旅先に持っていって、復路新幹線で読みながら泣きながら帰ってきたようなところ。人に薦められないと手に取らないカテゴリの作家ですが、薦めもありまして始めて手に取ったのでした。
いまどき話題にしててもしようがないんですけども、要所要所のツボの作り方に感心してました。奇妙な設定にも関わらず全体の見通しはすっきりしてますし、(性の問題とか)生っぽい部分がたくさんあるにも関わらず読後感も悪くない。
困りました。またチェックすべき作家が増えてしまうじゃないですか。推理小説はとりあえず要らないのですが、良さそうなものあれば手にするかも。評判の良い『白夜行』はどうなんでしょうか。