星野智幸『目覚めよと人魚は歌う』

現代文学100字レビュー

作品情報

星野智幸『目覚めよと人魚は歌う』の表紙画像
タイトル
目覚めよと人魚は歌う
かな
めざめよとにんぎょはうたう
著者
NDC
913 文学>日本文学>小説 物語
目次
目覚めよと人魚は歌う
評価
★★★☆☆
レビュー
孤絶した土地に逃げ込んだ日系ペルー人と、彼らを匿う意志もなくただ過去と現在を往復する女と、修復できない関係性を見せつける長編。幻想の向こう、曖昧なまま捨て置かれた事物が多すぎてもったいない気もするが。

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普段あまり細かなところは触れないんですけども、気になったのでひとつ取り上げてもいいですか? 星野智幸ってはじめて読んだんですが、その『目覚めよと人魚は歌う』、冒頭部がやたらとカラフルなんです。1ページ目で色に関する表現を書き抜いてみます。

「…月は巨大な白熱球の形をして、赤土がむきだしの(…中略)氷河の色に照らしていた。(…中略)群青に透きとおった大気を(…中略)プラチナ色に輝くススキの(…中略)血が固まった色の口紅を(…中略)指の腹にわずかに移った紅を頬骨のあたりに(…中略)月明かりで青白く見える顔に、臙脂の唇だけが(…後略)」。

ほかにも蛙の泣き声で暗示させる緑だとかもあり、出だしの1ページでこんなに色のイメージを打ち出す、これってどんな意味があるんでしょうか? 後半に効果的なリフレインがあるんだろうかと待ち構えてたんですが捉え損なってしまったので、彼の作品に詳しい方教えてください。

いや、端的にいえば、出だしで気張ったものの後半ダレてしまったように見受けられたりもするので、その辺どうなのかと。そうじゃないんだという識者の意見がぜひ聞きたいです。

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