池澤夏樹『静かな大地』

現代文学100字レビュー

作品情報

池澤夏樹『静かな大地』の表紙画像
タイトル
静かな大地
かな
しずかなだいち
著者
NDC
913 文学>日本文学>小説 物語
目次
煙の匂い / 最初の夏 / 鮭が来る川 (ほか)
評価
★★★★☆
レビュー
北海道に入植した元士族がアイヌと共に牧場を開く、成功と失敗の日。複数の話者によって広がるサーガが物語を聴く楽しみとなる。人と自然を考える静かな怒りの長編。何故僕らはそんなに異民族が怖かったんだろうな?

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厚くっててこずってた『静かな大地』をようやく読み終わりました。北海道、和人とアイヌの関係を描いた歴史小説です。同時期に、先日アップした目取真俊『魂込め』を読んでいて、こちらは琉球の話。相乗効果を生みつつ、「民族」というものを考えさせられる時間でした。

単一民族国家という幻想を標榜しては異者をネグレクトしてきた日本。元士族というプライドの塊を配しては「アイヌを和人と同等に扱うなんて頭おかしいんじゃねぇか」なんて台詞を吐かせて、著者の怒りが染み出しそうになりながらも淡々と進む物語。

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