ローカルに、津軽。

旅行記

行程

1999-04-30
東京―深浦―五所川原
1999-05-01
五所川原―弘前―青森
1999-05-02
青森―下北半島―仙台
1999-05-03
仙台―福島―郡山―小山―東京

五能線の旅に出よう、ということで黄金崎不老ふ死温泉で海を眺める湯浴み。桜の弘前を過ぎ、下北半島まで。青森を横断する。

1999年4月30日(1日目) 海を眺めて温泉だった

五能線全通記念碑
五能線全通記念碑

「GO・GOフリーきっぷ」を使った旅です。ゴールデンウィークに発売される、いわゆるトクトクきっぷで、3日間、JR東日本のエリアで乗り降り自由、(新幹線含む)特急の自由席に乗れる、というものです。25000円。そんなに安い感じもしない価格帯ですが、「フリー」という言葉の響きはやっぱりいい。そいつを握り締めて、朝の秋田新幹線に飛び乗りました。秋田から東能代へ、五能線に乗り換え2時間、艫作(へなし)で降りました。

てくてく歩くと「五能線全通記念碑」なんてものが立っていました。この周辺区間が最後の開通だったんでしょうかね?

艫作崎灯台
艫作崎灯台

歩いて15分ほどで海へ出ます。艫作崎の灯台が見えます。空も海も美しく青い。

でももちろん、この灯台を見るためにわざわざ無人駅で下車したわけではないです。

黄金崎不老ふ死温泉
黄金崎不老ふ死温泉

目的地はここ、一部ではカルト的人気を誇る海辺の秘湯、黄金崎不老ふ死温泉でした。一軒宿の温泉で、日帰り入浴もできるので、私は泊まりでなく日帰り目的で来ました。写真の、ともかく眺望がすごい露天風呂が名物。湯は鉄分で黄金色に光り、海面は銀色に照る。夕焼け時の味わいはさらに名高いものがあります。ぬるめの湯にゆっくり浸かりました。塩分で傷口がしみる。

以前まで混浴だったんですが、女性用が隣にでき男女別となりました。客層は以外に若い。雑誌などでもよく取り上げられているからでしょうか。

いい湯だったなーと駅に戻り列車待ち。艫作の駅待合室には温泉賛美の落書きがいっぱいありました。「朝は蚊がやってくるので注意」「駅から線路を歩いて踏切まで行くのが近道」などの実用的な情報まで書きこまれてる。

五能線車窓
五能線車窓

再び五能線に乗りこみます。2~3時間に一本というローカル線。温泉も目的なら、ローカル線もこの旅の目的です。田園風景の中を、漁師町の側を、ゆるやかに進む列車。その間に一日が終ってゆきます。

深浦で列車待ち下車、辛うじて営業していたラーメン屋で夕食としました。食後に喫茶店に入ると常連だというおばさんが一人いて、店の人は今出かけている、と言う。観光客なんてめったにこない、地元の喫茶室。

五所川原まで出てビジネスホテルに投宿。

1999年5月1日(2日目) 津軽の遅い春

津軽鉄道五所川原駅
津軽鉄道五所川原駅

ドアをガタガタ言わせる音、「鍵がかかってるのよ」というおばさんの声に目を覚ましたら10時でした。ベッドメイクの時間らしい。いやまだチェックアウトしてないんですけど。

早めに起きて津軽鉄道にでも乗ろうかと思ってたのですが、寝坊してしまったのですね。津軽鉄道はやめて、とりあえず弘前に出てみることにします。

弘前城堀
弘前城堀

弘前。古本屋などを覗きながらぶらぶら歩いて弘前城へ。堀では散った桜の花が水面を覆ってて、すごくキレイな風景に。薄桃色の下では鯉が泳いでいるのが見えます。子供が不思議そうに手を差し入れたりしています。桜自体は葉が出始めているものの、散った桜が描く風景としては絵になります。一眼レフを構えている人もいたり。

弘前城
弘前城

弘前城に入ってみるとさくら祭りのまっただ中で、大盛況となっていました。出店からサーカスまでやってきてまして人でぎゅうぎゅう。人の多いところは苦手なのでややげっそりしつつ、まぁゴールデンウィークだししようがないんでしょうね。

天守閣はこじんまりとしていて何か櫓のようだ。と思っていると、事実櫓を改築、天守閣としたものだそうですね。入城の行列ができていたので並ばないことにします。

岩木山が見える
岩木山が見える

園内から岩木山が見えます。津軽富士の雄大な山容。岩木山神社にも行ってみたかったんですが、ガイドブックなど見ると遠いようなのでやめました。町の散策を続けることにします。

弘前城の周辺には古い武家屋敷が残っていて、観光的には見所は結構あります。そんなこんなを眺めて歩く。

最勝院五重塔
最勝院五重塔

しばらく歩いて最勝院へ。五重塔があります。重要文化財に指定されているものとしては、日本最北の五重塔です。隣の公園でブランコを立ちこぎしていた女子高生の揺れるスカートでも眺めていたほうが、より健全である気もしながら、五重塔を見上げる。

青森駅
青森駅

弘前をひと通り回ったので、青森駅まで行きました。駅周辺にはあんまり見るべきものがないようにも感じましたけど、メインストリートを歩き、ホタテ焼き定食を食べ、ホテルを見つけて寝ます。

1999年5月2日(3日目) かっぱと温泉、懐かしきテレビコマーシャルの風景

かっぱの湯
かっぱの湯

翌日は下北半島を目指します。シーズンに入ったばかりの恐山でほとんどの乗客が降りる中、下北鉄道の終点大畑(後日付記:廃線になってしまったのでもう駅は存在していないのですが、現在のむつ市に位置した駅です)まで。さらにバスに乗って、薬研温泉へ。はるばるやってきたのは温泉が目的。恐山よりは温泉でしょう。

バス停のそばにあるかっぱの湯。怪我をした慈覚大師を河童が温泉へ浸からせた、という伝説によるもので、川脇の露天風呂です。なんと入湯無料で混浴。混浴と言っても女性は、というか誰も入ってませんでしたが……。底は掘りぬかれた岩で、座るとごつごつしてます。岩の隙間はコケでぬめってて。お湯は刻々とその温度を変え、ぬるいと思ってたら急激に熱くなったりします。そんなワイルドネイチャーな露天風呂です。

風呂脇に河童の像があります。皿が乾いていたので湯をかけてあげました。……静かです。

廃線跡
廃線跡

風呂をあがって歩いていると突如現れる廃線跡。いや今も使われてるのか分からないけど。ヒバ林の中にあるので、伐採用の貨車でも通ったんでしょうか。木漏れ日の中、線路をたどって歩いてみます。結局どこまで続いているのか分からないまま、途中で追うのをやめ、つり橋を揺らして川を渡ります。

薬研渓流
薬研渓流

大畑川の渓流。周辺は奥薬研修景公園として整備されています。川原に下りてしばらく読書を。なにしろ帰りのバスまで5時間もあるので時間は有り余ってます。まる一日、ここで過ごすことになると承知でやってきてるんです。ゆっくり時間を過ごすなら読書に限りますね。

夫婦かっぱの湯
夫婦かっぱの湯

修景公園にはレストハウスがあって、そこにもまた無料の露天風呂があります。こちらは男女別で、夫婦かっぱの湯という名前。入ってみました。もちろん味わいという点では混浴のかっぱの湯のほうが断然上です。こちらはかなり混雑していたためこのアングルでしか撮れなかったのですが、この右手に湯滝があって、豪快に湯が落ちてます。

レストハウスでは簡単な食事も取れます。何もないのではと下界からパンを買ってきていたんですが、心配はいらなかったですね。大畑名物のいかすみらあめんなども。

バスで戻り、特急、新幹線と乗りついで仙台まで。ゴールデンウィークに宿予約もしないまま旅に出てるのが間違ってるのか、ホテルがぜんぜん空いておらず、やむなくカプセルホテルに入りました。向い側のボックスのオヤジがしょっちゅう店員を呼び出しては「そういうサービスはやっておりませんので……」と言われてました。そんな仙台の夜。

1999年5月3日(4日目) 東京へ牛歩で。

福島駅
福島駅

3日間有効のフリーきっぷは切れてしまいました。普通乗車券を買って鈍行を乗りつぎながら東京まで戻ることにします。福島郡山小山と途中下車して駅前をぶらついて帰るだけ。3軒の古本屋を見つけた郡山の一人勝ちですが、写真は福島駅です。(了)

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