家康の岡崎城に岐阜城、年末城めぐり旅

行程

[福井・岐阜・静岡・愛知/岡崎、岐阜、静岡] 正月帰省の往路で立ち寄ったお城のレポート。家康の生誕地岡崎から信長の居城岐阜へと向かいます。いずれもパワースポット。
「家康の岡崎城に岐阜城、年末城めぐり旅」地図
2006-12-28
東京―静岡―岡崎
2006-12-29
岡崎―名古屋
2006-12-30
名古屋―岐阜―福井
2006-12-31
福井―七尾

旅行記

2006-12-28(1日目/木曜日)
静岡で降りて寿司だけ食べた日

僕の郷里は能登にあって、東京から帰郷するためにはいろんなルートが選択肢としてあります。今回はどのルートを使って帰るかなと考え、また考えながら動いていくと、それはもう旅だなという雰囲気になります。帰省という旅。

もちろん事前に情報収集はしています。今回、とりあえず寄ってみようと思ったのは久能山でした。静岡からバス、徳川家康の墓所のあるところで。それで静岡まで切符を買って新幹線に乗り込んだんでした。

静岡で下車して、昼を下っていたので目に付いた回転寿司屋に入り遅めの昼食。腹もふくれ、「さあ久能山だ!」と立ち上がるべきところなんですが、しかしながらビールの泡のうちになんだか面倒な心持ちになってしまっていて、久能山まで行くのはあっさりやめることにしました。つまりここであらかじめ用意してきた「旅先」は失ってしまいました。しばし唸り、青春18切符を購入、鈍行で西行することにします。

二度ほど列車を乗り継ぎ、前の席に座っていた女性につられるように降りたのは岡崎。ああもう日暮れだ、宿を探さねば……。

2006-12-29(2日目/金曜日)
岡崎でそのパワーと猫に触れる

岡崎城は休館日
岡崎城は休館日

ホテルを出ると粉雪が舞っていました。寒い! 肩を縮ませながら宿場町であった周辺を歩き、何がどこだか分かんねぇと零しながら、家康ゆかりの岡崎城がある岡崎公園へと向かいます。

岡崎。久能山をスルーしたものの、結果的に家康に引っ張られてきたわけですね。現在は家康ゆかりのというよりは「純情きらり」の舞台として訪れる人も多いんでしょうか。ロケに使われた味噌蔵なども観光スポットになってるみたいですが、そんなテレビ小説は見ていないのでロケ地めぐりには向かいません。

1542年、家康はこの岡崎城で誕生し、天下統一の足がかりをこの地で固めて行くことになります。上昇の気が湧くパワースポット、出世運がアップする場所だって言いますね。調べずに来ましたが、年末年始の休みに入っていて天守閣は閉まっていました。龍城とも呼ばれるそのドラゴンパワーを感じにきただけなので休みでも別に構いません。龍が立ち昇ったという井戸に拍手を打ったり、野良猫を追いかけて逃げられたりしながら本丸でしばし過ごします。

城を取り囲む岡崎公園では三河武士の資料を展示する「家康館」などがありますが、すべて年末休館でした。からくり時計だけが寂しく開閉している風景。いや寂しいのはからくり時計ではなくて、「あっ、からくり時計が動いてる」といって走ったものの、バッグを漁ってカメラを探しているうちに目の前でしゅーんと扉が閉じていってしまい、小さく震える僕のほうがよっぽど寂しい風景です。

大樹寺の上品な猫
大樹寺の上品な猫

電車で2駅ほど北上したところにある大樹寺へ。岡崎城の鬼門の守りにあたる、徳川家、松平家の菩提寺です。葵の紋があちこちで見られ、幕府の庇護下で繁栄した往時を偲ばせます。

本堂に上がり、拝観順路に沿って襖絵などを見て歩いていると猫がいました。建物内にいてやや驚きましたが、寺の飼い猫なのか堂々とした威風、畳敷きの廊下に座って、挨拶をしてもつんとすまし顔。さすがは徳川家のお猫さまですね。

ここの見どころは、歴代将軍それぞれの身長にあわせて作られた位牌が並ぶ位牌堂。綱吉はこんなに小さな人物だったのか、などひとつひとつ見て行くと、最奥に家康公木像があります。家康の肖像としては有名なもの(戦前の教科書に載っていたのだとか)で威厳のある顔付きをして座していました。しばらく対峙して過ごします。

その後は名古屋に出て、地下街をうろつきました。年末なのに(年末だから?)すごく混んでて。これから田舎へ帰る人たちなのか、帰ってきた人たちなのか。

2006-12-30(3日目/土曜日)
岐阜、金華山へ登ります

唐突にリス村
唐突にリス村

翌日は岐阜に立ち寄ります。昔駅前をぶらつくだけの途中下車をしたことはあるんですが、きちんと訪ねるのは初めて。きちんと、といっても、金華山に登りにきただけで他の目的はありません。パワースポットとしての金華山を踏みに来たんですね。

龍脈が通る金華山。龍の頭の上には斎藤道三や織田信長の居城、岐阜城が立っています。風水的に強いパワーがある場所と言われていて、以前より関心のあったところです。

麓の岐阜公園からロープウェイで登れます。リス村(なぜ城域にリス村?)を横目で見ながら10分ほど山頂へ向かって歩くと岐阜城天守閣へ着きます。金華山を構成する岩塊がいい波動を出しているようにも感じますが、パワーの出どころはよく分かりません。もちろんそんなことは分かりません。

岐阜城天守閣からの眺め
岐阜城天守閣からの眺め

天守閣自体にはそれほど見るべきものはないんですが(失礼)、鎧兜などの資料展示は嫌いではないです。天守閣から長良川の流れる平野を見下ろしていると、天下への野望が立ち現れてくるようなところですね。「この一帯を支配したい」っていう。野望と生活の折り合いのつけ方が大切。

ハイカーが手の平から野鳥(ヤマガラでしょうか?)に餌を上げているのを見ながら、ベンチで休んでいると体が温まってきます。平和な日ですね。

展望レストランで昼食にします。「名物!」とポップの付いていた飛騨牛カレーをもらいますが、この手の観光食堂ではまぁ、観光食堂的なものが出てきますね。

見上げるような岐阜大仏
見上げるような岐阜大仏

ロープウェイで下山をし、信長の居館跡に立ってみたり、岐阜公園を散策します。昆虫博物館の看板にふらふらと誘われて行くと残念ながら休館日。

バス停でふと横を見ると「日本三大仏」の幟を見つけ、訪ねてみました。正法寺。奈良、鎌倉の大仏は確定ですが、第3位には各地がそれぞれ勝手に名乗っているフシがある複数の候補があります。この岐阜大仏は乾漆仏としては日本一の大きさなのだということです。竹で編んだ輪郭に和紙を重ね貼りしたもので、「籠大仏」とも呼ばれるとのこと。これがカゴなのかと思って見上げると眩暈がしますね。

列車に乗って米原まで、さらに雪景色のなか北陸本線を北上します。日が落ちてきたので福井で投宿することにしました。福井駅は久しぶりに下車にしてみると駅舎が建て替えられていて驚きました。

2006-12-31(4日目/日曜日)
福井から金沢、実家への移動日

福井をたち、どこかへ立ち寄りながら、夕方に七尾の実家へ着くような見当でいたんですが、金沢で昼食にしたのち寒さのあまり早めに帰ることにしました。帰ったら実家には誰もおらず入れず、しばらく漫画喫茶で時間を潰すことになります。(了)