いわき・水戸・鯉のぼり(2ページ)

旅行記

2009年5月4日(2日目) いわきから水戸へ

いわき駅は再開発中
いわき駅は再開発中

翌朝。いわき駅前からバスに乗って白水阿弥陀堂へ向かいます。「いわきに来たらどこ見るべき? あ、待って、スパリゾートハワイアンズはナシの方向で」と言ったとたんに小物たちばかりになるような気もしつつ、そんなときこの白水阿弥陀堂は名前の挙がるスポットのひとつと言っていいんじゃないかと思います。フラガールとは対象年齢大幅に違いますけど。

白水阿弥陀堂は平安末期に建てられたお堂、仏像が残っていて、当時の境内を再現する浄土庭園が整備されているところです。国宝に指定されている阿弥陀堂は願成寺のもつお堂で、願成寺の本堂などは阿弥陀堂の西にあるんですが、そちらは見に行きませんでした。そういう、阿弥陀堂だけが観光客を集める寺域です。

白水阿弥陀堂
白水阿弥陀堂

お堂ではお坊さんが「長押の花は宝相華と申しまして、残念ながら現実の世界では見ることができません。極楽浄土に咲いてございます。彼岸に渡られたのち、この花が見えましたらそこは極楽浄土でございます。もしこの花がございませんでしたら、閻魔様とご縁を結ばれたということでございます」なんて名調子で解説してくれてます。みな正座で拝聴してたので僕も思わず正座。

解説を聴きながら、堂内を眺め回します。古い木造建築ってそれだけで味が出ますね。内陣の壁画や長押の文様など、装飾はほとんど剥げ落ちています。なんでしょう、滅びの美? 本尊阿弥陀如来もいい顔してます。

浄土庭園では亀が日向ぼっこしてた
浄土庭園では亀が日向ぼっこしてた

浄土庭園は発掘調査をもとに復元されたもので、背後に山を抱いた阿弥陀堂を蓮池で囲む、雅な風情です。なぜいわきにそんな本格的な浄土式庭園があるんだろう?と思うと、奥州藤原家から嫁いできた娘が建てたものなんですね。平泉の影響が入ってるのか。なるほど。

池をぐるりとひと回り。季節的にあまり華がない感じではありましたが、鯉がばしゃばしゃ跳ね、亀が日向ぼっこしている平和な池でした。

バス待ちに座ってたらボランティアガイドの方に「ここからすぐですから、ぜひ寄ってって」、と「石炭のみち」パンフレットを握らされました。いわき、湯本エリアは石炭採掘で発達したところ。観光資源化しようと炭坑跡などを含む散策コースや資料館を最近整備したみたいです。でもごめんなさい、行きませんでした。

しゃぼん玉を見上げる犬
しゃぼん玉を見上げる犬

その後、いわき湯本温泉に出ました。駅周辺にはブロンズ像がいっぱいあります。サックスを吹く男がベンチに座ってたり、しゃぼん玉を飛ばす少年を犬が見上げてたり。なんですかこれは。町のイメージ作りとしては「古湯」で押したほうがいいんじゃないか。みっちり書き込まれた手作りマップとか、地元が観光誘致に頑張ってるのはよく伝わるんですが。

案内看板によると那須、有馬、道後、玉造に並ぶ日本三古湯、ってあれ5つもある。まぁ並ぶくらい古い湯です。泉源が浅く、自然湧出してたんですね、奈良時代の開湯と云います。

でも、中央資本が入っての石炭採掘が進み、坑内に出る温泉を排出してたら大正期に一度源泉は枯れ、昭和に入ってまた新たな湯を掘ったんだとか。「中央資本」というところに憤りを感じますね。でも炭鉱跡とか「石炭」も観光資源だったりして言い方が難しいところです。

つるの足湯
つるの足湯

しかし、新しい温泉を掘りあてたんだったら古湯でもないんじゃ?という疑問も湧いてきました。この場合の古湯は、温泉場としての古さを言ってて、湯が昔と同じものかどうかは関係がないんでしょうか。

そんなことを「つるの足湯」前で、案内看板を見ながら思います。そんなこと考えてないで早く湯に入れという感じですね。「手湯」という言い方でいいんでしょうか、湧出口のところは手を浸けられるようになってます。すごく熱い湯で、硫黄臭が強いです。でもここでは足は浸けずに、近くにある共同浴場へ急ぐことにします。

さはこの湯
さはこの湯

やってきた日帰り温泉施設は「さはこの湯」。火の見櫓を模した外観は、古い時代を再現した新しい施設という印象なのに、なかに入ってみたら古びてます。新しいのか古いのかよくわからん、とも思ったんですが、古い共同浴場を建て替えたみたいですね。

岩風呂「宝の湯」と檜風呂「幸福の湯」が男女日替わりになってるようなんですが、この日は男湯が檜風呂でした。

浴場に入ったとたん立ちくらみするような硫黄臭があります。八角形になった檜の浴槽が真ん中にあります。そう大きくない。連休ということですごく混んでて、みっちり人が入ってます。午前中なのでそれでもまだマシなのかもしれません。熱めの湯で、でも長居したくなるようないい湯です。浸かってても、硫黄臭でくらくらします。

もっと熱い湯を張った小さめの湯船もあるのですが、そちらは入れませんでした。

温泉神社
温泉神社

湯上りにはそばにある温泉神社へ参拝。温泉タンクの横に階段があります。階段下には石碑に温泉が掛け流されていて、湯の花で覆われてます。温泉街の神社という雰囲気が出てていいですね。「温泉神社」なんて半端な名前の神社ながら、延喜式に見える由緒あるところです。

昼食に、というか湯上りのビールを飲みたくて、寿司屋に飛び込みました。生ビールに握りを注文。湯上りのビールはやっぱり最高だなぁ。

湯本温泉にはほかにも共同浴場があって、地元ユースな「上の湯」のほうが湯がいいとも聞くのですが、夕方からの営業なので行けません。駅前に「みゆきの湯」という新しい施設もあります。

弘道館
弘道館

湯本温泉から常磐線、特急に乗って水戸へ。まず水戸城跡へ向かいます。水戸へは10年以上前にも一度来ていて、偕楽園はじめ市内の見どころは見たのですが、まったく覚えてないんで初めてみたいなものです。

そう言いながら、水戸城跡へ来てみたら学生時代の感想を思い出しました。「城ないじゃん」って。城のあった区画は学校になってたりして、説明板があるもののほとんどモノが残ってないんですね。写真に撮って面白いものもあまりないです。

城跡はいったんいいとして、橋を渡った向かいが弘道館、藩校です。水戸では水戸藩第二代藩主光圀(義公。水戸黄門)と、第九代藩主斉昭(烈公)の名をあちこちで目にするんですが、ここでも光圀の思想と、斉昭の理念が教育に落とし込まれてます。正面の部屋に掛かる「尊攘」って大書きした掛け軸もソレですね。

斉昭は大河ドラマ篤姫でも聞いた名前。また東京を下った慶喜が水戸で謹慎していた、というエピソードも大河ドラマでのワンシーンであったと思うのですが、その部屋もここ弘道館にあります。そんなこともあって、観光客も増えてたりしますか? 混雑してます。「徳川が15代しか続かなかったのって少なくない? だってルイ53世なんて53代目ってことでしょ」「すごいな髭男爵!」って人の会話に笑う。

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