中原昌也

中原昌也プロフィール&ガイド

中原昌也(なかはらまさや)―1970年生まれ(53歳)。東京都港区出身。ミュージシャン、小説家。

暴力温泉芸者、ヘアスタイリスティックスとして音楽活動を展開。著作では映画評論から小説へと進んだ。

2001年『あらゆる場所に花束が……』で第14回三島由紀夫賞、2006年『名もなき孤児たちの墓』で第28回野間文芸新人賞、2008年『中原昌也作業日誌2004→2007』で第18回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。

音楽性と同様、ノイズだけで物を語ろうとするような作品群。三島賞となった『あらゆる場所に花束が……』でも選考委員猛反対ってエピソードも分かろうってものです。おそらくコレは文学ではないけど、文学に可能性があるとしたらここだ、と言い切る自身は私にもありません。初めて手に取るなら文庫になった『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』をどうぞ。この文庫の著者近影。こんな確信的な顔してる作家近影って初めて見ました。

関連作家・似てるかも作家:柳下毅一郎 蓮實重彦 クーロン黒沢 阿部和重 中島らも 町田康 青山真治 いましろたかし 山崎春美 高平哲郎

中原昌也おすすめ本ベスト3

  1. 『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』表紙
    ナンセンスな短編集。暴力的なまでに無思想で、脈絡なく紆余曲折するスピード感。およそ文学的でない言葉に時折嵐のような瞬間風速がある。彼が虐殺したのは「文学」だった。などと良くあるレトリックで逃げてみる。
    文学(小説)
  2. 『子猫が読む乱暴者日記』表紙
    どうしてこうも乱暴者なの? ストーリーはどこにもなくてどす黒い感情だけで書き進む。小説を書くのが嫌なんだろう、投げやりな短編断章集。だのに言葉の端々に蹴つまづいているうちに楽しめてたりするのは不思議。
    文学(小説)
  3. 『名もなき孤児たちの墓』表紙
    自分には文章を書く才能がないという誠実な態度でいつもどおり暴走。芥川賞候補作「点滅……」も入っているのだが、これで賞が取れるはずがない。「小説のようにも見える」初めての中原作品には違いないのだけれど。
    文学(小説)

中原昌也レビュー一覧(12冊)

  1. 『死んでも何も残さない』表紙
    この「自伝」をどんな顔して書いてるのかと思ってたら、取材談話を編集部がまとめただけだと最後に知って愕然とする。呪詛や怨念、でも言ってることはまとも。いつもの「書く理由/書かない理由」もスッキリ分かる。
    文学(エッセイ)
  2. 『ニートピア2010』表紙
    食うために書かざるを得ない短編集。黒い想念ばかりの創作と、唾棄すべき現実とを行きつ戻りつ、結局は自己嫌悪を倍増させるだけ、露悪的に生肉を見せつけるだけ。「誰が見ても人でなし」の爆撃で喜ぶ読者も同じ病。
    文学(小説)

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