択捉島 - 島田雅彦『エトロフの恋』

物語の舞台 - 択捉島(北海道 紗那郡紗那村)

繁華街には色がなかった。元は鮮やかな赤や青だったものも色褪せ、古ぼけた白黒の風景写真を眺めているようだった。イワンは一つ一つの建物を指差し、あれがデパートです、それがディスコです、これは食料品店です、と説明するが、どれも廃屋にしか見えない。

日本最北端の島、択捉島。なかなかアクセスの難しい島ですが、主人公カヲルはサハリン経由での海路で入島します。

日本とロシア、日本とアメリカ、この国の狭間を描く作品です。皇室との間にある不定形のスペースと同じように、エトロフが描かれています。国を追われるように、逃亡してたどり着いたのがエトロフ。

掲載日:2012-07-22
択捉島イメージ
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

択捉島について

択捉島(えとろふとう、イトゥルップとう)は、北海道千島列島南部に位置する同列島内で面積が最大の島。複数の活火山が存在する火山島である。ロシアによる実効支配が続く北方領土の一つであり、国際的にはロシアの領土として認知されている。中心集落は紗那村(クリリスク)。

地名の由来は、アイヌ語の「エトゥ・オロ・オ・ㇷ゚(etu-oro-o-p,鼻・の所・にある・所〈岬のある所〉)」あるいは「エトゥ・オㇿ・オ・ㇷ゚(etu-or-o-p,鼻・水・ある・もの〈クラゲ〉)」。英語名およびロシア名はイトゥルップ島Итуруп、Iturup)である。

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