青荷温泉 - 吉田修一『初恋温泉』

物語の舞台 - 青荷温泉(青森県 黒石市)

 暖房の効いたタクシーに乗り込むと、辻野は、「う~、さぶっ」と一度身震いしてから、「あの、道の駅の『虹の湖』ってところまでお願いします」と運転手に告げた。

 雪を払っていないような髪をした運転手が、「ああ、青荷温泉のお客さん?」とすぐに尋ねてくる。

「白雪温泉」より。

夫婦でやってきた青荷温泉。青森県にある秘湯の一軒宿の温泉です。ランプの宿。

この小説集には5つの温泉宿が出てくるんですが、そのなかの1軒です。取材として実際に泊まって書かれたとのことですので、ランプの明かりだけでの食事とか描写としてはリアルです。

離れ(十方堂)の部屋に泊まるんですけど、襖一枚へだてた隣室に他のお客さんがいる、のですね。びっくりして仲居さんに尋ねると「それが何か?」風な。いやいや、秘湯ってそんなもんやで。

掲載日:2008-04-19
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

青荷温泉について

青荷温泉(あおにおんせん)は、青森県黒石市の黒石温泉郷にある温泉である。1軒ある温泉旅館に電気は通っているが、客室や風呂場などは灯油ランプだけで照らし、「ランプの宿」の一つとして知られる。


[泉質]

炭酸泉。源泉温度は45~60度。


[効能]

神経痛、リューマチ、疲労回復。


[温泉街]

「ランプの宿」として知られる一軒宿があり

エリア一覧