南相馬 - 古川日出男『馬たちよ、それでも光は無垢で』

物語の舞台 - 南相馬(福島県 南相馬市)

そのコンビニエンス・ストアでは弁当、おにぎりの類いが欠けている。物資が不足していた。カップラーメン類も。棚に欠落がある。ここはまだ屋内退避指示の半径三十キロ圏内に入っていないのに。南相馬市内だというだけなのに。

南相馬市の鹿島区、福島第一原子力発電所から30キロ圏の円弧北端のあたりです。郡山出身の作家として、被災地が見たい、福島が見たいとレンタカーでやってきた浜通り。作中では相馬の「馬」の由来、歴史も語られながら、物語性へと広がって行きます。

南相馬市の30キロ圏内か圏外か、は今(2011/8/7)まさに義援金配分方についてもめているところでもあります。そういう意味でも見えないライン(もちろん住民が作ったんじゃない、国と東電が作ったラインだ)がある地域です。

引用文の箇所に続いて、3キロほど東になる海岸へ向かうのですが、そこにあるはずの神社がない、瓦礫のなかで失語してしまう作家。

あと作中では、南から円弧に迫る、いわきのほうも訪ねています。

掲載日:2011-08-07
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

南相馬について

南相馬市(みなみそうまし)は、福島県浜通り北部に位置する市。相双地方で最多の人口を有する地方公共団体である。毎年7月下旬に開催される相馬野馬追で知られる街である。

東は太平洋に面しており、2011年の東日本大震災では津波および福島第一原子力発電所事故による影響を受け、復興に取り組んでいる。


[概要]

2006年(平成18年)1月1日、原町市と相馬郡小高町および鹿島町が合併して誕生した。旧市町の区域ごとに地域自治区となっており、各々「原町区」「小高区」「鹿島区」に移行して住所に名称をほぼ残している。

当初、小高町・鹿島町・原町市の合併協議は飯舘村を含めた旧・行方郡(なめがたぐん)で行われ、新市名には

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