日光東照宮 - 吉田修一『春、バーニーズで』

物語の舞台 - 日光東照宮(栃木県 日光市)

...みんなが国宝の「ねむり猫」を見に行ったとき、なぜかしらふらっとその群れから離れた。ただ、ふらっと群れを離れて、単独行動をとったわけではなく、陽明門を出たところにあったベンチに座り、みんなが出てくるのを一人で待っていた。

高校の修学旅行で日光東照宮へ行ったときのことを思い出しているシーン。みんなで国宝を見ましょう~ってときにつまんなくてはみ出る人はいつの時代だっているわけですが(「ねむり猫」自体もお行儀よく列になって見るようなシロモノでもないわけですが)、それが巡って30代になってから、影を落とすこともあるのかもしれません。

作中ではこの場所に置き忘れてきた腕時計が、後年まで引っかかりを作ることになります。

ねむり猫はともかく、陽明門の造形は執念みたいなものを感じさせるすばらしい出来だと思うのです。高校生に「これをありがたがれ」と言っても届かない面もあるでしょう。ヘンに修学旅行で一度行っちゃった場所は大人になってから訪れにくくなったりするわけですが、日光はそう言わず再訪してほしいところです。

掲載日:2006-10-01
日光東照宮イメージ
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

日光東照宮について

日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)は、日本の関東地方北部、栃木県日光市に所在する神社。江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を主祭神として祀る。日本全国の東照宮の総本社的存在である。また久能山東照宮・上野東照宮と共に三大東照宮の一つに数えられる。正式名称は地名等を冠称しない「東照宮」であるが、他の東照宮との区別のために「日光東照宮」とも呼ばれ、東照宮の公式サイトにも「日光東照宮」と書かれている。

隣接する仏教寺院の輪王寺は、勝道による日光山開山を奈良時代の天平神護2年(766年)とする。その後、関東地方の霊場として尊崇を集め、鎌倉幕府創始者の源頼朝からも寄進を受けた。頼朝は、母方の熱田大宮司家の出身者を別当に据えて以来、鎌倉幕府、関東公方

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