真鶴 - 川上弘美『真鶴』

物語の舞台 - 真鶴(神奈川県 足柄下郡真鶴町)

「ゆくんでしょう」女は、はきはきと言った。こんなにはきはきと話すのも、珍しい。

「どこへ」

「真鶴」

 やはり真鶴だった。真鶴に、何があるのか、女に聞いた。

「七月には、船がでる」

神奈川南西部、真鶴半島のある海辺の町、真鶴。切り立った溶岩台地からなる真鶴半島は、景勝地でもありまたその森が霊気を湛えるスピリチュアルスポットでもあります。

「七月には、船がでる」のは日本三船祭のひとつ、「貴船神社の船祭り」のことか。毎年7月27日・28日に行われます。実際に主人公はこのお祭の日に真鶴へ向かいます。「女」の言う「船」が果たしてこの世の船かどうか分かりませんが・・・。

掲載日:2008-10-19
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

真鶴について

真鶴町(まなづるまち)は、神奈川県の南西部に位置し、足柄下郡に属する町。町域の半分は、三方を海に囲まれる。

真鶴半島とその周辺にあり、歴史的な経緯から真鶴町真鶴と、同町岩の2つの地区で構成されている。古くから上質の石材とされる本小松石の産地である。町の名は、半島の形が羽根を広げたツルに似ていることから付けられた。


[地理]

箱根火山の南東に位置し、相模湾の西を画す小さな真鶴半島と、その北の海岸部・後背の山地からなり(岩 (真鶴町))、北西から南東に伸びた細長い形をしている。北東の小田原市と南西の湯河原町に挟まれる。

真鶴半島は、切り立った海岸を持つ溶岩台地である。先端は真鶴岬で、岬の先の海上に三ツ石

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