ちょうど万代橋を渡るところで、黒々とした広大な信濃川が開け、ライトアップされた川岸のホテルが白く浮かび上がっている。まだ、西の方には、わずかに仄明るさが残って、ビル群で矩形の起伏を作った地平線が黒く凝り固まっていた。
新潟の駅前から、信濃川を渡って旧市街の方へ結ぶ万代橋。昭和初期の美しい建築物で、国の重要文化財に指定されました。それに合わせて、これまで万代橋だった表記を萬代橋に改めています。
主人公は、新潟生まれで東京で働いていた不動産屋で、新潟への出張を命じられて帰郷しています。戻りたくなかった故郷ということで複雑な思いで見つめる新潟の町。
掲載日:2012-07-29