裏山の櫟林が迫っている一角を除けばほぼ丸々三百六十度の見晴らしが開けていて、海が見え水平線が見え大小の島々が見え、振り返れば駿河湾の海岸線が見え、あれは沼津市だろうか富士市だろうか、海岸沿いに町並みが広がり、さらにその向こうには町並みを抱きかかえるように富士山が聳えている。
主人公は西伊豆にある別荘に塔を立てさせ、その完成を見にやってきています。引用部は塔の最上部からの景色を眺めたときの描写です。
作中ではほかに「西伊豆」「岬」という表現があるものの、正確な位置はわかりません。大小の島々が見える、ということと、駿河湾越しの富士山という眺望から、田子のあたりかと勝手に置いておきます。このあたりよく知りませんが土肥あたりだと島々に欠け、堂ヶ島まで行くと富士山が駿河湾越しじゃなくなりそう。
主人公(たち)は車でやってくるのですが(沼津インターを降りてひと眠りしてるうちに着く)、電車で先に着いてる先発隊がいます。電車+バスだとなかなかアクセスしにくいところなんですよね、西伊豆。車持ちじゃない私は行ったことのないエリアです。行きたいところはあるのですが、大瀬神社とか。