吉野 - 中上健次/角川春樹『俳句の時代』

物語の舞台 - 吉野(奈良県 吉野郡吉野町)

「野性時代」に「吉野」という小説を書こうと思って、まだ書き始めてないんだけど、それを舞台に考えてて......。だから冬の、雪の降る吉野を見たこともあるし、いろんなことがあるんだけど、やっぱりいちばん華やかで、いちばん怖くて気持ち悪いなぁ、という感じの時が、この花の時ですね。いちばんあやしい感じですね。

遠野、熊野、吉野をめぐっての対談。引用部は吉野編での中上の発言。気持ち悪い春の吉野は、桜の名所として有名です。

対談としては櫻花壇という名旅館にこもって話をしてるわけですけど、吉野をディープに掘り下げる話もされます。

掲載日:2012-07-22
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

吉野について

吉野(よしの)は、大和国南部(現在の奈良県南部)一帯を指す地名。特に吉野山から大峰山にかけての山岳地帯をいう。大峰の山々は熊野まで連なり、大峰への道は修験者によって熊野から開かれた。吉野は口吉野と奥吉野に分かれる。なお、吉野は吉野山あるいは吉野宮(宮滝遺跡)を指す場合もある。


[地理]

紀伊半島の中部に位置し、奈良盆地の南に位置する。高地・盆地・山岳地帯が並存する。面積は神奈川県や佐賀県に匹敵する。口吉野は吉野川流域、奥吉野は十津川・北山川流域である。吉野川は紀ノ川となって紀伊水道へと流れ下り、十津川と北山川は熊野川となって熊野灘へ注いでいる。

『日本書紀』の神武紀や応神紀では大和人と異なる生活様式をもつ国栖人の居住地として描かれているが

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