興福寺 - いとうせいこう/みうらじゅん『見仏記』

物語の舞台 - 興福寺(奈良県 奈良市)

「興福寺、まず最初は興福寺。もう仏が目白押しだから。それにね、いとうさん」

 カメラを片手に持って、みうらさんはまた耳元に口を近づける。そして、ポン引きが女をすすめるような感じでささやく。

「阿修羅がいるよ」

見仏記シリーズの最初の回になる奈良編でまず訪れたのが興福寺。奈良市の、奈良駅から東大寺方向に歩いたところ、奈良県庁前にあるお寺です。世界遺産「古都奈良の文化財」の一部になります。

国宝館には多くの文化財が収納されていますが、「阿修羅がいるよ」の阿修羅像は、国宝・乾漆八部衆立像の一つ。東京国立博物館で2009年に開催された興福寺創建1300年記念「国宝 阿修羅展」ではその阿修羅像が目玉として展示され、評判を集めました。「アシュラー」とか「仏像ガール」とかヘンテコなネーミングで「なんでもブームにしたがる人たち」が騒いでたのも記憶に新しいです。

掲載日:2012-07-27
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

興福寺について

興福寺(こうふくじ)は、奈良県奈良市登大路町(のぼりおおじちょう)にある法相宗の大本山の寺院。山号はなし。本尊は中金堂の釈迦如来。南都七大寺の一つ。藤原氏の祖・藤原鎌足とその子息・藤原不比等ゆかりの寺院で藤原氏の氏寺であり、古代から中世にかけて強大な勢力を誇った。「古都奈良の文化財」の一部として世界遺産に登録されている。

南円堂(本尊・不空羂索観音)は西国三十三所第9番札所、東金堂(本尊・薬師如来)は西国薬師四十九霊場第4番札所、菩提院大御堂(本尊・阿弥陀如来)は大和北部八十八ヶ所霊場第62番札所となっている。また、境内にある一言観音堂は南都七観音巡拝所の一つである。

エリア一覧