桑幸が久貝島へ赴いたのは、十月最初の土曜日であった。学校出入りの旅行代理店で調べてもらったところ、観音寺から久貝島への定期便は、午前九時三十分発と午後三時十五分発の一日二便。
小説の冒頭には地図が掲出されています。観音寺の西20キロ、観音寺港からの定期船航路で結ばれた島が燧灘に浮かんでいます。この久貝島(と隣接する楠根島)は実在しない島です。実際には島のない海域に2つの島が描かれたフィクション地図ということになります。
香川県観音寺市の港から実際に定期船が出ているのは伊吹島。小説中の地図では久貝島とは別の島として伊吹島も描かれているわけですが、伊吹島あたりのイメージをしておけば近いでしょうか。定期便は1日4便あります。
久貝島で見つかった、無名作家の「遺稿」が謎を呼ぶミステリーです。
掲載日:2012-04-07