伊吹島 - 奥泉光『モーダルな事象』

物語の舞台 - 伊吹島(香川県 観音寺市)

桑幸が久貝島へ赴いたのは、十月最初の土曜日であった。学校出入りの旅行代理店で調べてもらったところ、観音寺から久貝島への定期便は、午前九時三十分発と午後三時十五分発の一日二便。

小説の冒頭には地図が掲出されています。観音寺の西20キロ、観音寺港からの定期船航路で結ばれた島が燧灘に浮かんでいます。この久貝島(と隣接する楠根島)は実在しない島です。実際には島のない海域に2つの島が描かれたフィクション地図ということになります。

香川県観音寺市の港から実際に定期船が出ているのは伊吹島。小説中の地図では久貝島とは別の島として伊吹島も描かれているわけですが、伊吹島あたりのイメージをしておけば近いでしょうか。定期便は1日4便あります。

久貝島で見つかった、無名作家の「遺稿」が謎を呼ぶミステリーです。

掲載日:2012-04-07
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

伊吹島について

伊吹島(いぶきじま)は、香川県観音寺市に属する島。瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ。「伊吹いりこ」(カタクチイワシの煮干し)の産地として知られる。

面積は1.09km2、周囲長は5.5km。四国本土の観音寺港の西10kmに位置し、有人島としては香川県の最西端にある。2020年(令和2年)の国勢調査による人口は323人。

名称

弘法大師が材木を引き揚げて薬師像を彫ったという伝承があり、この材木を意味する「異木」が「伊吹」に転訛したとされる。また、近くの海底に泡が噴き出ている場所があり、この場所を意味する「息吹」が転訛したという説もある。

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