そしてこの界隈から、平坦だった道がゆるやかに傾斜していき、須賀神社の前で道が大きく右へカーブすると、街道沿いの民家は減り、真新しいアスファルトと白いガードレールだけに導かれるように三瀬の峠道がはじまる。
— 吉田修一『悪人』
三瀬峠は国道263号、福岡県と佐賀県の境となる峠。昔から事件、事故が多く、心霊スポットと呼ばれたりすることもある...というのも作中に書かれているとおりです。
作中では、この三瀬峠で死体遺棄事件が発生します。被害者の女性に会いに、長崎から福岡までやってきていた男が車でこの峠を通っているのですね。そんな状況で始まる物語。
掲載日:2010-01-23