軍艦島 - 村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』

物語の舞台 - 軍艦島(長崎県 長崎市)

聖母互助会を通じての申し入れは西九州の離島からだった。二人の子供は乳児院を離れるのを最初拒んだが、里親となる夫婦の写真を見て承諾した。その夫婦の背後には海が映っていたからだ。

長崎の離島で、かつて炭坑で栄えた島。荒れ放題の廃墟の描写などもあって、その意味からはいわゆる軍艦島、端島がモデルと思われます。

狭い島内に炭鉱労働者が居住するため、高層コンクリート住宅が林立し魔窟の様相。

崩落の危険などもあって基本的に上陸できない島でしたが、近年の「廃墟ブーム」にも乗って、あるいは産業遺産として世界遺産に登録しようという動きなどもあって、一部区域が整備され、見学可能になっています。

作中では、コインロッカーに捨てられた孤児である主人公キクとハシが、島の里親に貰われて少年時代を過ごすことになります。

掲載日:2012-08-05
軍艦島イメージ
(C) NARUMI
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

軍艦島について

端島(はしま)は、長崎県長崎市(旧:西彼杵郡高島町)にある島。通称は軍艦島(ぐんかんじま)。「羽島」とも書いていた。

明治時代から昭和時代にかけて海底炭鉱によって栄え、日本初の鉄筋コンクリート造の高層集合住宅も建造されるなど、1960年代には東京以上の人口密度を有していた。1974年(昭和49年)の閉山にともない、島民が島を離れてからは無人島である。

2015年(平成27年)、国際記念物遺跡会議(イコモス)により、端島炭坑を構成遺産に含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」がユネスコの世界文化遺産に登録された。


[地理]

同じく炭鉱で栄えていた高島

エリア一覧