アンケート用紙が回収されると、ほどなく列車はフェカンに到着した。大野はまた、老婆の荷物を持ってホームまで出たが、あとは人が迎えに来るからと言うので、そのままそこで「Au revoir. Bonne journee!(さようなら。好い一日を!)」と言って別れた。
「『フェカンにて』」より。
パリから列車で2時間ほど、ノルマンディ地方の海辺の町フェカン。主人公大野は小説執筆の取材としてフェカンを訪ねます。
何か不吉な気配を前半からキープしたまま物語は進行するので、フェカンも暗い影が落ちているのですが、夏は海水浴客で賑わったりする町です。
掲載日:2007-04-29