ルクソール - 池澤夏樹『パレオマニア』

物語の舞台 - ルクソール(エジプト)

単純と洗練。この国の地形に由来するものだろうか、と男はカルナックからルクソールの神域へ移動する車の中で考えた。思えばこれほど単純な地形の国はない。沙漠が広がり、そこに一本南から北に河が流れている。それだけ。

文明はすべて河に沿って生まれた、といってもやはりナイルは特別。そこで何が起こったのか、考えてゆくのが楽しい作業です。

「単純と洗練」、エジプトの古代美術にはほかにはない強い魅力を感じますが、なぜその地にそれがあったのか、発生当初からすでに完成された美としてそこにあったのはなぜなのか、興味はつきません。

掲載日:2006-03-05
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

ルクソールについて

ルクソール(アラビア語: الأقصرl-aqṣur、Luxor)は、エジプトの都市で、ルクソール県の県都。古代エジプトの都テーベがあった場所で、現在も数多くの遺跡が残っている。市域はナイル川によって分断されている。

日が昇る方角であるナイル川の東岸には、カルナック神殿やルクソール神殿など生を象徴する建物が、日が沈む方向のナイル川西岸には死を象徴する、王家の谷や王妃の谷などがある。王家の谷にはツタンカーメン王の墓がある。

市内にある遺跡の多くが、古代都市テーベとその墓地遺跡 として世界遺産に登録されている。

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