2000年4~6月

近況報告

投稿コーナーだけ

最近また仕事の山場に入ってきてなかなか更新できないのですが、投稿モノいただいたので「嬉しい!」と飛びあがりつつ掲載しておきます。駆け込みで投稿頂ける方、お急ぎください。30日までです。で7月1日の0時から1時ごろ?に新しいテーマを提示したいと思います。まだ内緒(というか未定)。何かやってほしいテーマがあったら、それも教えてくださいね。

あー、梅雨はいやだなー。

選挙行きました?

選挙行きました? ごめんなさい、行ってないです。なんて堂々と言っちゃいけないんでしょうけども。

昔からいろんな人が言ってることだと思うんですが、バツの投票はできないんでしょうかね? つまりマルかバツ、どちらで投票するか選べる(あるいは両方可能にする)。最終的にマルの数からバツの数を引いた数値を得票数とするわけですね。そうして「うるさかったのでバツ」とか投票できるようになったら、選挙カーで名前連呼してまわる行為はマイナスにも作用して、もう少し理性的な、政策を伝えることが重要な(当たり前か)選挙戦になるんじゃないかと思うんですが。だって名前覚えさせたら勝ちってんでバカみたいに連呼してるでしょ。なんかね。

で、候補者Aはマイナス5000票、候補者Bはマイナス2万票、よって候補者Aが当選。という楽しげな?事態も当然ありうるよねぇ。ガンバレ日本政治!

原田宗典の小説

原田宗典ってエッセイに対する評価の方が高いのでしょうか。「とにかく笑える」らしいですね、聞いた話によると。とりあえずは小説から攻めていこうと思うのですが、こちらの方は実にしみじみしますね。しみじみ。丸山健二なんかの読者を疲れさせる文体とは逆に、癒される気すらしますね。どちらも捨てがたいですけども。

なんだか最近すごく眠いんです。会社から帰ったらすぐ寝てしまうし、更新もままならない。もちろん会社でも寝る。夏だからでしょうか。ビタミン不足なんでしょうか。

町田康のエッセイ

今日は1件、行くべきところに行かなくって打ちひしがれてます。自分の不甲斐なさ、あるいは自堕落さに。

自堕落といえば、やっぱり町田康のエッセイは面白いっすねぇ。できれば後日1000字でも書こうと思うけど。今回のを読むと、「パンク歌手」がぐっと身近になります。これまで道でパンク歌手に会うたびに目を伏せていた君も、パチンコ屋でパンク歌手の横の台だけは避けていたあなたも、もう大丈夫です。おためしあれ。

旅本の解釈。

梅雨ですねぇ、雨ですねぇ、無性に奇声を発したくなりますね。

ところで、投稿コーナーなんですけども。先日初投稿をいただきましたので掲載しておきました。その方も言ってましたけど、お題難しかったですね。「旅に持って出たい本」。なんか言葉自体矛盾含んでるようにも感じてきた。ので、勝手に解釈してください。

「ぜひ旅に持っていってほしい本」とか。

「読むと無性に旅に出たくなる本」とか。

「船旅中に読んでたら酔って大変だった本」とか。

「旅先の動物園でヤギに食わせた本」とか。

「旅先のホテルにいたときにさ、悲鳴が聞こえたんだよ。まぁ、気にしないようにしたんだ、いろいろあるだろうからさ(笑)。でそのまま寝たわけ。もう夜遅かったし。でさ、朝になって、なんだかざわついてるのね。廊下とか。ノックがするんだよ。刑事風の人が立ってて、言うわけ。昨夜悲鳴とか物音とか聞きませんでしたか、不審な人は見かけませんでしたかって。えっ。それでもう、あの悲鳴の正体が分かっちゃってさ、うわーとか思ったんだけど、続けて聞くわけよ、古畑任三郎みたいな人が。あー、あなたゆうべずっとこの部屋にいましたよね? あ、ごめんちょっと田村正和のモノマネ入っちゃったけど。もしかしてアリバイ聞かれてんの? おれってアリバイあるの? とか思いながら、ずっと本読んでました。って答えたんだ。ほんとのことだし。という状況でのその本」とか。

というわけでしつこくも投稿募集中です。投稿フォームよりどうぞ。今月中はこれでひっぱります。7月に入ったらもうすこし「やわらかい」テーマにしますので。

話は変わって、リンク集で。最初から予想はしてたんですが、複数の作家で同じサイトを紹介してたりします。その点、ご了承いただきたいんですけども。検索エンジンで見つけてくる、ってことでは限界があるのか。「この作家なら、このサイトがすごいよ!」ってのがあったら教えてくださいね。

それから、リンク先を別窓で開けるときは、ターゲットに_newと指定すれば2窓以上開かないんだね。いまごろ気づきまして修整しました。これまで_blankだったのでクリックするたびにパカパカ開いたのだけれど。ってホームページ作ってない人には分からない話で申し訳ないですが。

でも、別窓で開けるってことにいらだつ人もいるんでしょうか。いるんでしょうね。とりあえず自分のサイト内のリンクと区別するためにそうしてるんですが、気に触る人はお知らせ下さい。検討します。

香るしおり

辻仁成の新作、読みました。星ふたつとしたので、その理由を述べておかなきゃならないんでしょうねぇ。なんというか、タイミングの悪さです。彼って離婚したんですよね? 南果歩が涙の会見をしたというニュースとしてだけ知ってます(詳しくは知りません)。もとより作家の私生活など興味の外にあるので、それによって作品の評価が変わったりはしません。それでも「彼の小説なんてもう読まない」といった人も知っていますし、それも無理からぬことではあるよなぁ、と思います。

で、そういうご時世(?)に、「大人の愛」ということで嫉妬したり不倫したりする小説なわけですよ。どう考えても反感買います。だから万人にオススメはしない、という意味で評価抑えてみました。まぁ作品自体も筆が荒れている部分がなきにしもあらずですが。

そういうご時世(?)を懸念してか、初版限定でオマケが付いてます。「ヒロインの香り」がするシオリです。ジャルダン・バガテールというヒロインが纏っている香水、その香りはストーリーにも大きくからんでくるんですが、その香水が染みこませてあるシオリです。こすったら香るってな奴です。確かに甘く官能的、肉感的香りで、小説世界がより楽しめるものではあります。こういう仕掛けはなかなか楽しい。嗅ぎたい人は初版で買いましょう。

ところで、このサイトも開設2周年を迎えました。ひとえにみなさまのご支援のおかげでございます。おめでとうございます! ありがとうございます。今後ともよろしくお願いしますです。

ゆっくり充実させていければと。

土日寝てすごしてしまいました。

先週作った新コーナー、とりあえず少しずつ内容増やしていきます。まだフォーマットなんかも定かじゃないので、1000字のところでは試しに「主な登場人物」表記もしてみてます。今後有用性を獲得できるか否か。

物語の舞台へ、進むべき方向こっちであってるのかすごく疑問。

『千日の瑠璃』すげえなぁ。

ようやく『千日の瑠璃』読み終わりました。通勤電車と夕食時の定食屋でしか読んでないもので、2~3週間かかってしまいました。で、どっぷり疲れました。

題名通り、1000日間の物語で、1日が1ページ、つまり1000ページあるわけですね。で、さらに、主人公が1ページごとに(つまりは1日ごとに)替わるんです。その主人公は、1ページ目・風、2ページ目・闇、3ページ目・棺、それから鳥籠、ボールペン、ため息、九官鳥、雨、風土なんて続きます。「私は風土だ。」と言うのです。生物非生物、森羅万象すべてが主人公になるのですよね。町の1000日間の出来事を、彼らが観察し語るわけです。この設定(もしくは野望)で全編貫いてしまったのはすごいことです。普通なら途中でくじけます。というよりこんなこと誰もやりません(褒め言葉です)。

で、そんな主人公たちが描写するなかから一つの町が浮かび上がってきて、一人の少年の生き様が見えてくる、という趣向なのですが、物語の進行は極度に遅いのですよ。蟻が自分の哲学を語り一日が終わったりする。「男は覚悟した」ということを「覚悟」が自分の固さを語ったりする。じりじりと世界は這い回るんですね。

で疲れてきた終盤になって、こんな言葉に出くわしたりする。「この世は小説家が期待するような動きなど絶対にしないものだ、と言い、大半の人々は劇的な日々の外側に身を置いていることを忘れるな、と言う」。ここに至っては小説家の企みに敗退し、拍手するしかない。すごいもんです。忍耐力のある人は挑戦してみてもいいかもしれない。

ああ、1000字のコーナー作ったんならこの近況報告から余談は排除したほうがいいのかしらん。ま、読了直後の素直な感想はここに書いていくということで。

それから鴻上尚史の『音楽遊戯』は、Yahoo!のオークションで3100円にて競り落としたものです。(たぶん)絶版で、古本屋でも見かけたことがないのでつい頑張って手に入れてしまいました。同時期に高橋源一郎『朝、起きて、君には言うことが何もないなら』を競り負けたところだったので、ここはふんばってみました。3100円の価値があるかどうかは人それぞれでしょうが、20代半ば~後半の人には楽しい読み物じゃないでしょうか。ボウイ、バービーボーイズ、エコーズ、アルフィー、米米なんかのインタビュー集ですので。懐かしいでしょ? あの頃は若かったでしょ?

怒涛の3コーナー一挙新設

いやー。怒涛の3コーナー一挙新設です。何考えてるんでしょうか。もちろんまだできたてほやほやで「これから充実させていくから待っててね~」というところですけど。現在内容ペラペラです。徐々にね。徐々に。

6月7日にこのサイトも設立2周年となるので、その記念的意味合いもあるのですが、とりあえず契機としては、ISIZE BOOKで書評を書くことにしたので、その文章を(やっぱりISIZEにあげっぱなしってのはもったいないので)再編集してここに載せておこうということです。ま、多少長めの文章も書いていきたいな、とちょうど思っていたところにISIZEの依頼が上手くはまった、という感じですけども。1000字でやってます。それが「1000字の賛辞」というコーナー。

ちなみに、ISIZEでは「日替わり書評」というコーナーで、20名ほどのレギュラー執筆人のひとりとして書かせてもらうことになりました。月2本程度しか書きませんが。ノーギャラです。そんな金にもならないことしてる暇あんのか、おれ?

次の「物語の舞台へ」は小説中に舞台として登場する場所を、観光地的にガイドしてるものです。まだどう展開すりゃいいのか良く分かってないのですが、「旅と現代文学。」の看板に偽りあり、の状態はこれで抜けられる? どうでしょうか。

さらに、「投稿コーナー」としてみなさまの声を募ってみたいと思います。毎月決まったテーマでおすすめの本を募集します。6月のテーマは「旅に持って出たい本」としましたので、この本はどう?という人はぜひ投稿下さい。投稿フォームがコーナー内にあります。5月中から受けつけちゃいますので。

さぁ、どやねん!と鼻息も荒く。

初めての海外は香港でした。

ネイザンストリート

香港へ行ってきました。社員旅行で。でも全然写真撮ってないし(気づけば右の入れて3カットしかない)、国内という統一感も崩したくないので旅コーナーには入れないことにします。

実は初めての海外渡航だったのですよ。あまり関心がなくてこれまで海外へ出たことがなかった。パスポートも渡航の3日前に手に入れたような状態ですから。で、幸か不幸か香港ですよ。結局、食べて呑んで踊ってただけですからね。それ以外にすることのない街ですからね。あまり趣味には合わない。いくら地震がないからといって古すぎるビル群と、そこから吐き出されてくる人の多さに終日やられっぱなしでございました。

さて、女性作家をいくつかアップしておきました。ほとんど読んできてないので、こんなもんです。そんなことよりなかなか読み終わらない丸山健二『千日の瑠璃』のほうが大変だ。その構造上しようがないのかもしれないが、下巻の中盤にさしかかっても物語は遅々として進まないのだ。いったいどういう決着になるのだろうか。

タイプ別のコーナー、少しずついじってるんですが、まだ途上。

「人」と「へ」って似てないか。

中上健次がいくつか残ってたので入れておきます。

そのなかで『有名人』というマイナーな鼎談集。ブックオフの100円コーナーで見つけたりしたんで、どこに何があるか分からないものですね。そんなことはどうでもよくて。これ、今日掲載のために見なおすまで『有名へ』だと思ってました。もう5年くらい「人」をひらがなの「へ」だとずっと思いこんでた。表紙題字のフォントそういう感じだもの。「有名であること」への発言集だし。いやいや、こんなこともどうでもよくて。

最近とっちらかってて何やってるのかよく分からないんですが、★評価見なおしました。星3つがあまりに多すぎる、これでは本を選ぶ基準にはなりにくいとか、「現代文学をとにかく薦めたい」という主張に合わないのではないかとか、いろいろ考えつつ、ざっくりと修整しました。5つ星、4つ星増やしました。だから使いやすくなった、ということでもないのでよく分からないんですが。「タイプ別」の整備はまた後日やります。

ミュージシャン本

前回、現代文学だぜぃ!と声高に歌いつつ、今回はミュージシャンを入れてみました。なめとんのかい!という声が聞こえてくるようです。離反者続出の姿が見えるようです。悪気はないのですが・・・。

100字レビューの点数としては2000年に入ってから急激に増やしたので、まぁそれなりの見栄えになってきたんじゃないかと思うんですが、やはりそればかりじゃつまらなくなってきた。というか過去に読んだ本の在庫がなくなってきた(笑)。で、なんというか、ネクストステージ!へ進もうとしているのですよ、今。そのためのプロジェクトを地下で進行させつつありまして(というほどの激変ではないのですが)、ちょっとそれがうまく転がるかどうか見極められるまでは、小更新でご容赦いただきたい。具体的なことはまた後日、実物お見せできる状態になったら改めて書きます。つまりは新コーナーということになると思いますが、まだ何とも言えないので。

近代文学と現代文学

ゴールデンウィークは楽しかったですか? 僕は充実しすぎて、ここではちょっと書けません。

さて、インターネットからしばらく離れているうちに掲示板にあがっていた議題、「現代作家にこだわらず掲載しては?」について、ここで回答してみます。誤解を恐れずに、正直なところを書いてみます。ふぅー(深呼吸)。

まず結論から言えば、昔の作家が今後掲載されてゆく可能性は低いです。理由としては、(1)実際問題としてその辺の作家を僕が読んでいないということ、(2)読んだものでも(あるいは今後読むとしても)むしろ掲載しない方向でいたいということ、の2点があります。

(1)に関して言えば、偉そうに「書評系サイト」をやっていながら、例えば太宰治なら『人間失格』だけ、三島由紀夫なら『仮面の告白』だけ、夏目漱石だって『こころ』しか読んでません。(情けないかもしれませんが)まずそういう事実があります。ちょっとだけ言い訳みたいに今回大江健三郎を2冊入れましたが、彼にしたってこれで全部です。まぁ大江は現在進行形の作家なので特に違和感はないとは思いますが。結局、感想を言えるほどの時代背景的語彙がないのが、まず1点。

で、(2)の掲載しない方向でいたいということですが、笑われたり怒られたり「こんなサイト二度と見てやるもんか、けっ」とか言われたりしそうですけども。先人の偉業の上になりたつ文学的歴史ってヤツをちゃらにしちゃいたいのです。「この作品は三島の粗悪な模写である、ゆえにダメ」という類の論を無効にしちゃいたいのです。

先に近代文学を読んでいないということを告白しちゃってますから、どうころんでも自己弁護にしかならなくって嫌なのですが・・・。「模写」であることに気づかずに読み、それ単独で楽しんでしまうような読み手がもっともっと増えて欲しいと思ってます。村上春樹しか読んだことがないという人でも「読書が好き」と言ってもっともっと前へ出てきて欲しいと願ってます。(例えば川端康成を読んだことがないという「恥」を感じることを強要されるがために)そういう読者層が静かにしているので「文学の衰退」と言われ続けるのだ、と思いますから。「J文学」という軟派なムーブメントもそういう意味では歓迎しています。あれも意図的に先行文学者を無視してますよね。作家に文学的知識が不要だというんじゃないですよ、「読み手」には不要だというある種極論的な主張。そう主張することでしかこれからの文学は面白くならないというのが僕の考えです。

逆の極論としては「近代文学が全部やっちゃってるから、それだけ読んでいればいい、現代のものは読む必要がない」というものになりますよね。世の評論家の大半はそういう考えかもしれません。でも、それじゃあつまらないじゃないですか。不健康でもあるじゃないですか。やっぱり現代の作家による今の言葉が聞きたいし今の表現が読みたい、と考えるのが正常な読書人だと思いませんか?

で、このサイトで近代文学など掲載しておくと、「やっぱり彼らの作品から読み始めないといけないのだな、現代文学を読むにも基礎教養がいるのだな」と感じる人が多くなると予想されます。事実「彼らの作品から読み始めないといけない」のかもしれませんが、ここではあえてそういった前提を排除したいのです。過去の文豪にはとりあえず脇に退いていてもらって、「とりあえずこれ読んでみてよ、面白いよ!」と一足飛びで現代作家を勧めたいのです。みんなで「現代文学は面白い! もっと読みたい!」と言いましょう、そうすればもっと面白い作品が今後でてくるんじゃないでしょうかね。それでみんな幸せ幸せ。という状況を望んでいるのです。

前々回このスペースで原田宗典に対して「村上春樹の影響を受けた阿刀田高」と感じたことを書きました。でもこれにしたって「村上春樹や阿刀田高に似てるのが減点要素」でもなければ、「村上春樹や阿刀田高を読んでからじゃなければ真に理解できない」でもないのです。「村上春樹や阿刀田高が好きな人だったらきっと気に入ると思うよ」とひとつの取っ掛かりとして勧めているわけです(まぁ1冊読んだだけでそう言っちゃうのは問題あるとは思いますが)。あらゆる作家は先行文学者の影響を受けているはずですが、それを読まないといけないとなるとそれだけで日は暮れ夜は更け、現代にまでたどり着かない。そして文学は斜陽の道へ進んでしまうのです。そんなのは嫌なのですよ、いち読書好きとして。

乱暴なこと言ってるような気がする。まったく言い足りてない気がする。しかも問いに対する答えになってない気もする。でもこれがこのサイトの当面の方向性です。うまく伝わるでしょうか・・・。ご意見・反論等ありましたらお寄せ下さいませ。

クマ出放題

ゴールデンウィークですねぇ。こんな時期にインターネットなんてやってる僕達は何者なのでしょう。家でだらだらしてないで旅行にでも行け! という感じですが、今回僕は実家にヤボ用で帰る以外には特にすることもありません。つまり旅コーナーの更新は停滞したまま、ということですね。コーナー自体やめてもいいんだけれども、せっかく書いてきたのをなんかもったいなくてね。貧乏性で。

野田知佑、椎名誠ファミリーということで、手を出してみました。とりあえず読みやすそうだった『カヌー犬・ガク』。「オーロラ見放題、ライフル撃ち放題、サケ釣り放題、クマ出放題の旅」いいですねぇ。彼に憧れて、同じようにカヌーに犬のせてユーコン下る男が続出するのも分かります。でもガクって相当頭のいいヤツだったんですね。それにくらべたらウチの実家のバカ犬なんて・・・。

さて、椎名誠の100字レビュー、ついに100冊を超えました。拍手(自分で)。昔チャットやっていて、同じように椎名誠ファンの人と話す機会があったのですが、その時に100冊ほど読んだと言うと「そんなわけないだろう」と嘘つき呼ばわりされてしまいました。嘘じゃないもの。と晴れ晴れした気分です、今。

キレる?

週末に実家へ帰ってきた。甥っ子が驚くべき速度で育っている。

『オレンジ・アンド・タール』、キレる少年の話です。スケボーとナイフしか持ってない子供達の退屈さ、「恐怖してキレる」ということの薄っぺらさ。想像力の欠如した人間を主人公に据えるのは難しかろうと思うのですが、きちんと社会派な小説になってます。

原田宗典も読んでみたいな、と思いつつ、初めて手に取った『優しくって少し ばか』。なかなか面白い。男と女の間にある空気感の表現がうまいですね。最初期の作品集にも関わらず、会話の小洒落た感じなんかも完成の域。100字レビューのほうには「阿刀田高的」と書いたんですが、「村上春樹の影響を受けた阿刀田高」というところでしょうか。「ポール・ニザンを残して」などでの確信犯的言葉の選び方。いいです。

いままでなかったんだよねリンク集。

リンク集作りました。いや、これから作ります。まだ作り始めなんですけども。作家ごとに、この作家についてもっと知りたい人はこちらへ!という趣向です。かなり乱暴なことしてます。このやり方でいくかぎり、同じサイトが複数の作家の欄で出てくることにもなりかねないのですが、とりあえず。徐々に増やしていきますのでよろしく。

同時に、「その他おすすめ」ページも作ったのは、やっぱり紹介したい友人知人リンクと、相互リンクに対応するためです。というわけで相互リンク募集中なのであります。偉そうな言い方になりますが、有用なページにするために「自己紹介と掲示板だけ」的なものだとか、内容によってはお断りする場合もありますのでご了承下さい。

それから、トップページで毎回書き換えてた一言コメントのようなスペース、面倒になったのでやめまして、「現在の積読リスト」入れておくことにしました。買ったけどまだ読んでない、って本のリストです。当然この中から近々アップされる本が出てくるでしょうし、あるいは1年くらい放っておかれる本もあるでしょうが、まぁ更新の目安としてお楽しみということで。随時最新状況を入れていきます。

いやー、しんどいわ。

春色に

ああ、2週間ちかく更新があいてしまいました。すんません。結局「忙しかったから」になっちゃいますけど、現在仕事で大量の文章を読み書きしていてとっちらかってるので、なんだか私的な文章を書く気力がまったくなかったのです。まぁ、まだ仕事はひと段落してないわけですけども、そうも言ってられないので読んだ本、アップしておきます。メールの返事等も取り急ぎ書きますのでお怒りにならずに。

今回読んだ本では『鎌倉古都だより』。藤沢周のエッセイ集です。彼は鎌倉に住んでいたんですね、なんだか意外です。都会的混沌をぶちこむ小説世界は古都鎌倉で生まれるものなのか。内容も「いい人」って感じで、そのギャップを楽しめたりします。特に息子への視線が温かくてよいです。

次回更新はそんなに間隔あかないようにしたいと思います。さぼっている罪滅ぼしに(?)ページの色合いちょっと変えました。「春色」です。嘘。だめですか?

朝のガスパール

すっかり怠けぐせがついてしまいました。いかんいかん。張りきって更新していかねば。

村上龍の新作をいちはやく読んでいたかと思えば今週は時流を無視した読み物だったりする。その辺のバランスが個人的に気に入ってはいる。

さて、『朝のガスパール』です。これってSFなんでしょうか。日本SF大賞を受賞しているのでSFなんでしょうが、ようするに実験小説です。意味も分からず使ってる言葉ですけどメタ・フィクションってやつですな。朝日新聞紙上で連載されたもので、読者の反応に対応しつつ、物語が進むと。作家が読者の投稿を読み上げ罵倒するシーンなどすごく面白い。多重構造で複雑ながらも楽しめるのだが、一般受けはしないのだろう。だから新聞小説としてはまったく似合わない形式なのだが、新聞でしかやれないことだったんだろうな。ま、すごいです。と言ったところで、今更何を言っているのだという感じですけども。