芥川賞・直木賞候補作が発表になりました(SankeiWebの記事)。ここで受賞者予想をしておきましょうか。どの作品も未読、他の作品なら読んだという作家でいっても阿部和重と角田光代のみ、というなかでの予想です。
まず芥川賞。前回の『介護入門』が全然売れなかった、ということを踏まえる必要があります。綿矢・金原の回から掌を返したようなマスコミの静けさがすごかったからね。「しーん」って音してたもんね。そりゃ売れないに決まってます。それがあってか、「もっと話題性のある本を受賞させなきゃイカンだろうが!」って圧力がいろんなところから押し寄せてそうな気配です。業界の利害を背負ってますから。
そう考えると、若手ということとタイトルのインパクトで白岩玄「野ブタ。をプロデュース」か、その名前どっから持ってきたんだよという山崎ナオコーラ「人のセックスを笑うな」でしょうか。どちらも微妙に力不足ながら、どちらかに行くような気がする。ともに単行本がすでに出ていて、発表直後から棚でアピールできることも書店には喜ばれます。両方はちょっとイヤ、どちらか・・・野ブタ?
あと、キャリア的に最後のチャンスであろう阿部和重。村上春樹や島田雅彦に受賞させなかったことを批判され続ける芥川賞、阿部にやらなかったらまた瑕を増やしそうですからね。ここは押さえておきたい。
というわけで芥川賞は白岩玄「野ブタ。をプロデュース」と阿部和重「グランド・フィナーレ」のダブル受賞と予想。
直木賞は最近勢いのいい伊坂幸太郎でしょうか。いまひとつ華がないよなぁというなら角田光代。でもやっぱり伊坂幸太郎「グラスホッパー」かな。
そんなうがった予想をしててもしゃあないんですが、そういう賞だし。ということで。発表は13日。