沖縄、青い海なリゾートも重めな戦跡も

行程

[沖縄/那覇、恩納、摩文仁] 初めての沖縄らしく戦跡を訪ねたりする、いくらか重い気分の旅。社員旅行なので、会社の仲間とあちこち回ってます。
「沖縄、青い海なリゾートも重めな戦跡も」地図
1999-05-22
東京―恩納
1999-05-23
恩納―名護―摩文仁―糸満―那覇―恩納
1999-05-24
恩納―那覇―東京

旅行記

1999-05-22(1日目/土曜日)
初めて沖縄に上陸しました

沖縄の海
沖縄の海

ハイサイ! 沖縄です~~~~(イメージフォト)!

沖縄へ行ってきましたよ。なんともはや社員旅行で。そういうきっかけがなけりゃ来ることのない土地で(飛行機が嫌いなのよ)、存分に観光してきました。自分を含め、仲良しグループで沖縄初心者が多かったこともあり、定番コースを回ってきました。それはそれはどんよりと重いコースでありました(後述)。青い海!青い空!グラスに揺れるフルーティーなカクテル!とキッパリしたリゾートを過ごす賢い選択もよく考えればあったわけですが、初めての沖縄ではここを見なきゃ、という文部省推奨的なみどころめぐりを選び取ってきたのですよ。

万座毛
万座毛

まぁ、一発目はイメージ作りということで3日目に撮ったさわやかフォトを載っけてしまいましたが、実際の初日は曇り気味でした。じんわりと湿度が肌に絡み付く曇り空。

ああこれが沖縄なんだなぁと感じながら、那覇空港からレンタカーで北上、万座毛です。象の鼻?のように見える岸壁。

そうだ、基本的に食べ物には無頓着なので写真は全然撮ってないのですが、昼はやっぱり沖縄らしくとソーキソバ食ってます。安謝(あじゃ)の、ジャズが流れる沖縄ソバ屋、あじゃずってところ。適度にしゃれてて恥ずかしい感じですが。

ルネッサンスリゾートオキナワ
ルネッサンスリゾートオキナワ

宿泊はここ、恩納ビーチのルネッサンスリゾートオキナワ。ここで2泊します。いかにもリゾート系のホテルで、ビーチも持ってます。オーシャンビューってやつですな。1枚目の海写真もここの部屋、テラスから撮ったもの。吹き抜けのラウンジには南国風の木が植わっています。名前のわからない鳥もいます。申し分ない。ここの風呂はなんでも天然の温泉らしいですね。宿泊設備のある温泉?としては日本最南端?だとか。

初日の夜にはパーティーがありまして、まぁ社員強制参加の親睦会ですね。その後は浜辺で花火をやったり部屋でへべれけたりのお決まりコース。

1999-05-23(2日目/日曜日)
戦争者ものは苦手なのですが

恩納海岸
恩納海岸

海はやっぱりきれいです。写真は恩納海岸沿いのどこか。サンゴと貝殻で白く光る砂浜と、透明な水。

とにかく午前中は楽しくやってるわけですよ。午後のドロドロを前に。

オリオンビール工場
オリオンビール工場

沖縄といえばオリオンビール。名護にある工場を見学してきました。ビールが飲みたい一心で。PRビデオを見ながらオリオンをかっくらい、休日でコンベアの止まった工場内をそそくさと巡回。

沖縄の風土にあったオリオン。いいねぇ。

パイン園
パイン園

続いてパイン園へ。「パインカー」に乗って園内をひとめぐり、パインの生育過程だとか種類なんかが学べます。ハンドル、アクセル、ブレーキなどが付いていながら、一切触れちゃダメ!な自動操縦のパインカー。

みやげコーナーではパインワインからパインケーキ、パインクッキー、パインチョコ、パインドーナツにパイン漬物と各種パイン揃い踏み。フロア中パイン。試食コーナーを歩いているだけで血中パイン濃度飽和状態。これだけ書いてると「pain」ってキータッチがめちゃ速くなるほどのパイン。

でもここのみどころはパインだけではない。「ハブ対マングースショー」があるのだ。いかにもな見世物小屋風情と、安っぽいエロ前説に走る司会者。勝負はシナリオ通りマングースが取り、ハブは強壮剤へと加工されるわけですね。性欲、性欲。

平和祈念公園
平和祈念公園

さて。ついに来ました。名護から一気に南下、沖縄南部の戦場エリアです。ここ摩文仁の平和祈念公園では犠牲者が照りつける太陽のもとにあります。ずらりと並ぶ石碑に刻まれた、数々の名前。

資料館が園内にあります。犠牲者の手記があり、遺品があり、集団自決の道具があり、血の付いた衣類があり、どっぷりと沈みます。生々しく迫ってくる。

誤解を恐れずに個人的印象を言うなら、広島長崎より圧倒的に重いです。なぜかと考えると、知らないからなんですね。学校できちんと習わない。広島長崎関係は嫌というほど教わるので、それがために原爆ドームとかは重いなりに免疫があるというか、事前に心の準備ができているので割合堪えきれてしまうんですが、沖縄戦の学校教育は(もちろんあったのでしょうが)無知な領域をたくさん残したままなんですね。それでずっしりと来てしまうんではないか、と思いましたね。それは多分に「日本軍の無益な抵抗」みたいな要素が多く、原爆のように単純に教科書に載ってないってことかとも思いました。

ひめゆりの塔
ひめゆりの塔

ここまできたら引き返せない、ひめゆりの塔。平和祈念公園よりもこちらのほうが自分としては「楽」だったのだがもう麻痺してるのかもしれない。というかもうなんにも語りたくないんだけど。

ひめゆりは有名でしょうね。従軍看護隊として組織され、命を落としていった少女達の哀しい物語です。多くの犠牲者を出した壕の上に立っています。横の資料館は当然ドロドロ。爆音のBGMが肌に痛いです。

喜屋武岬
喜屋武岬

ついでに(といっていいのか)糸満、喜屋武岬。ここで一部隊が壊滅しているし、追い詰められた住民達は身を投げている。「平和之塔」が立っています。ラブラブなカップルが肩を抱きつつ写真を撮っていました。バカモノ。なんて自分たちも似たようなもんなのだよなぁ。弱気にもなるわなぁ。

島唄
島唄

気を取り直して那覇で沖縄家庭料理を食する。ゴーヤ、チャンプルー、テビチ、ラフテー、ミミガー、豆腐窯とかでご満悦。泡盛でご満悦。

それからネーネーズのライブを見に「島唄」へ。沖縄ミュージックで静かに夜が更けます。恩納のホテルへ。

1999-05-24(3日目/月曜日)
締めくくりはやはり首里城か

ホテルのビーチ
ホテルのビーチ

3日目です。キレイに晴れました。絵葉書のような沖縄。もちろん前日の痛手を回復するための風景です。

とは言うものの、ビーチでのんびり過ごすなんてことはせずに観光に出かけます。「初めての沖縄」ってことで、盛りだくさんに。主な見どころは押さえておくと後で役に立ったりしますからね。

読谷やちむんの里
読谷やちむんの里

まずは読谷やちむんの里へ。沖縄最古の焼き物、喜名焼を産する窯元が密集しているところです。

人間国宝もいます。なぜか各戸に犬がいます。ある登り窯では窯出しの真っ最中でした。他にはガラス工房とかも。

そういえばシーサーも焼き物か
そういえばシーサーも焼き物か

特に何か買うわけでもなく見学。

シーサーなんかもあります。あうんだ。

考えてみればシーサーも焼き物なんですね。窯で焼くのか。狛犬と鬼瓦の中間系、沖縄をイメージさせながらも謎です。

公設市場
公設市場

那覇公設市場。食材がどっさり。

2階には沖縄料理を食べさせる店が並びます。ソーキそばをざっと食い。

個人的には市場という生活エネルギー地帯は苦手なのですが、つまみにとミミガーを買ってしまいました。

首里城
首里城

首里にも行きました。琉球はやはり大和とは別の一個の国家であったのだなぁとしみじみ思います。王国ですからね。中国の影響を大きく受けた絢爛美が心地よい。

首里城は門が幾つかあって、それぞれにスタイルの違うものなんですが、有名な守礼門は思ったよりちっぽけでした。正殿のほうが好きだな。

そんな感じで、空路帰途につきます。(了)