10年ぶりのリベンジ伊勢詣(2ページ)

旅行記

2006年5月2日(3日目) 松阪と、斎宮の女たち

誰もいない松阪城跡
誰もいない松阪城跡

空も曇り気味、昨日とは打って変わって肌寒い朝。御城番屋敷、本居宣長記念館、松阪城跡など松阪市内の見どころを見て歩く。

本居宣長に別段関心があるわけではないのですが、そこにあるから入るというふうに。高校生のグループと見える一団も集っていたのですが、やっぱり関心があるわけではないふうに。

城跡も、石垣が残るのみで天守閣はありません。桜のころはもう少し賑わうのかもしれませんが、緑の時期にはあくまで静かな公園です。

河原に鯉幟が泳ぐ
河原に鯉幟が泳ぐ

松阪を以前に訪れたのは1995年の春。ちょうど10年ぶりの来訪です。その頃にも町の主な見どころは歩いてます。「10年前と、何ひとつ変わらない町」とか思わず言ってしまいそうになるところですが、でも10年も経ったら印象なんてほとんど残ってませんね。初めて歩くのと同じです。

川原にはこいのぼりが掛かっていました。強風に煽られバタバタ揺れるこいのぼり。見物する人もいないなかを泳ぐこいのぼり。よく見ると、いくつか川原に落ちています。

文化財センターにある船形埴輪
文化財センターにある船形埴輪

川を渡って向かうのは松阪市文化財センター。船形埴輪を中心に、宝塚古墳から出土した品々が展示されています。遠足の幼稚園児にまぎれて見学。

太刀などで飾られた埴輪船は全国でも類のないものです。考古学系は結構好き。前日の鈴鹿でも、伊勢国分寺跡があって行きたかったのですが交通不便であきらめたのでした。ってこんなところで言ってもしようがないし。

その他、継松寺、樹敬寺など市内に多くあるお寺などにも立ち寄り、もういいかな、と思ったところで電車に乗って移動。

斎宮の規模を模型で再現するいつきのみや歴史体験館
斎宮の規模を模型で再現するいつきのみや歴史体験館

斎宮駅で下車。明和町にある斎宮は、天皇の代理として伊勢に詰めた女性(斎王)の住まいがあった地です。天皇の娘や姪など、未婚の皇族の女性から占いで選ばれ、京から伊勢へと送り出されたのでした。天皇に代わって伊勢での神事などを執り行う、古代から南北朝の頃まで続いた制度。まぁその程度の前知識は仕入れたうえでの下車です。

駅南にある竹神社に寄った後に駅前のいつきのみや歴史体験館へ。斎宮の様子を1/10に縮小して再現しています。実際にこのあたりがまさに遺構の上にあるのですけれどね。

斎王の森に碑が立つ
斎王の森に碑が立つ

そこから少し北に歩くと、史跡公園斎王の森が。斎王の御殿があったとされる場所で、「斎王宮址」の碑が置かれています。井戸や建物、道の遺構も見られます。斎宮の中心地となるわけですが、最近の研究では竹神社のある場所が中枢だったのではなどとも言われています。

いずれにしても、まだ継続的に発掘途中で全貌の見えていない遺跡です。ちょっとした公園風なのでゆっくりもできるのですが、この日は風が寒くって長居はできません……。

斎宮歴史博物館の展示
斎宮歴史博物館の展示

斎王の森から、無造作に散らばってる古墳を横目に眺めながら歩いて、斎宮歴史博物館へ。資料展示で斎宮と斎王の歴史や生活がよく分かります。王朝文学に見られるように……と無理やり文学に結びつけなくっても、斎宮のこともうちょっと調べてみたい、と思わせるものがありました。

映像ホールで流される「斎王群行」もなかなか力が入っていて見ごたえがあります。8歳で斎王となって父の後朱雀天皇と別れざるを得なかった良子内親王を主人公に据えることで、この制度が持っていたいろんな感情を伝えようとする映像作品です。

しかし、平日といえ、広々とした駐車場に一台も車がないようなガラガラ感で大丈夫なんでしょうか。定休日?と思ってしまいました。

伊勢まで出て、駅近くにある月夜見宮(外宮の別宮)にだけ立ち寄って、ホテルへ。2泊しようとすると翌日はいっぱいだと断られてしまう。とりあえず今日の分だけ取って明日の予定を思案します。

2006年5月3日(4日目) 伊勢神宮を巡る

外宮。けっこう混んでると思ったが後で行く内宮の比ではない
外宮。けっこう混んでると思ったが後で行く内宮の比ではない

伊勢。まずは伊勢神宮外宮、豊受大神宮に向かう。混んでいる。ゴールデンウィーク、後半戦スタート、なんでしょうか世間的には。伊勢は、これ以上観光客を集めない方策を考えないとだめなんじゃなかろうかと思ったりします。もう少し静けさがほしいところ。

正宮前、一般参拝客はここまでしか行けない外玉垣には警備員が立って睨みをきかせていて、すいてたらすいてたで警備員の視線をずっと感じることになって嫌なのですけれどね。後ろから写真撮ってる人に遠慮して落ち着いて参拝できないのはよくないことでしょう。

摂社のひとつ、風宮
摂社のひとつ、風宮

学生時代にやってきたときにはなぜか正宮よりも強い神の気配を感じた風宮。今回はそれほど感じ入ることはありませんでした。風宮ではなく土宮か多賀宮か、他の別宮だったのかもしれないのですが、どれも同じ形をしているので記憶はあいまいなのです。

実は……といって白状するような種類のものではないのですが、私、神社で(お寺ではなおさら)お賽銭を投げることはほとんどないんですね。二拝二拍手一拝できちんと礼はするのですが、賽銭は投げないんですよ。意味の分からないままお金を投げるのって気色の悪いことに感じ出した頃がありましてね。でも学生時代には分からないなりに五円玉を投げるもんだと思って投げていたので、賽銭を投げる人の前に神は現れて、賽銭を投げない今の私には神の威光はやってこないのか? なんてことも考えたりします。

藤が映える勾玉池
藤が映える勾玉池

外宮勾玉池は朱の舞台に藤が映えてキレイです。時期的にはもう少し後のほうがいいんですかね。

外宮から内宮へ向かうバスがあるのですが、乗り場は長蛇の列になっていました。まぁいいや、内宮直行しないで、寄り道しつつちょっと歩くことにします。

宇治山田駅を越えて歩いて光明寺へ。普通はそんなところまで歩いては行かないのかもしれないけど、そのまま徴古館のほうへ向かいます。

伊勢関係の美術品が集まる神宮美術館
伊勢関係の美術品が集まる神宮美術館

この一角には見どころがいくつか集まっています。まず神宮美術館へ入りました。遷宮を記念して寄せられた美術品を収蔵。歌会始の御題にあわせた特別展では今年は「笑み」ということで、心温まるような微笑が並びます。

それから徴古館へ。御装束神宝と呼ばれる、神宮に奉納されている調度品が、20年の遷宮ごとに取り替えられるのですね。取替え後の品が展示されています。美術品としても申し分ないものがぎっしり詰まってます。そのほか、神宮の歴史や謂われなんかの解説を読みつつ周遊。

斎宮の祖、倭姫命の倭姫宮
斎宮の祖、倭姫命の倭姫宮

徴古館、神宮美術館のそばには倭姫宮(やまとひめのみや)が。倭姫命は伊勢の地に神宮を置くように導いたとされてて、先に見た、斎宮(斎王)の祖とも言います。その実在は考証できないのですが。内宮の別宮となるこの宮、大正時代の創建なので新しいです。

外宮と内宮を結ぶバスがここを経由するので、ここからバスに乗って内宮へ向かうことにします。やってきたバスには零れ落ちそうなくらい人が詰まってる。ぎゅうぎゅう。整理券も取りのがすくらい。混みすぎです。

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