重松清

重松清プロフィール&ガイド

重松清(しげまつきよし)―1963年生まれ(61歳)。岡山県津山市出身。小説家。

出版社からフリーライターへ。田村章、岡田幸四郎などのペンネームあり。1991年『ビフォア・ラン』で作家デビュー。

1998年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、1999年『エイジ』で第12回山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で第124回直木賞、2010年『十字架』で第44回吉川英治文学賞、2014年 『ゼツメツ少年』で第68回毎日出版文化賞受賞。

作品のほとんどが「家族」をモチーフにしていて、温かな気持ちになれるものもあれば、だからこそ「ひとり」を実感する作品もある。初めて読むなら短編集『ナイフ』が彼の作風が過不足なく伝わっていいんじゃないかと思います。『疾走』は体力のあるときに。

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重松清おすすめ本ベスト5

  1. 『疾走』表紙
    暴力、犯罪、家族離散、ストーリーを語ると社会面ネタの盛合せみたいだが、少年の荷として重過ぎる運命に生を祈りたくなる。「一人一人」が駆け抜ける地獄を見てるだけの無力さで救われない。圧倒的読後感に吼えて。
    文学(小説)
  2. 『ナイフ』表紙
    いじめを描くことの責任感も背負い込んだような意志溢れる短編集。退屈と窮屈で膿んだ教室を這いつつその実、親子の関係修復物語だ。戦場との対比も見事な表題作もいいが、「エビスくん」は凡庸であるだけ胸を打つ。
    文学(小説)
  3. 『流星ワゴン』表紙
    悔恨だけを何度も繰り返し見せ付けられてそれらを全て許してゆくことで、家族の成す道を探す。同い年の父なんて強引な設定をものともせず感動で包む構成力はさすが。やり直すことなんてできないから生きてけるって。
    文学(小説)
  4. 『ビタミンF』表紙
    Family、Father、FriendなどいろんなFが主題となる。短編によって波はあるが「セッちゃん」は特によい。現実は歯噛みするほど厳しい。読んで「家族っていいものだなぁ」と思わない人はビタミン不足の恐れありです。
    文学(小説)
  5. 『十字架』表紙
    いじめを苦に自殺した中学生。残された者達が十字架を背負って生きる「その後」を追う。重い状況を描きながら、きちんと出口を用意するさすがの重松節。もちろん泣く。「父」にも感情移入できる年齢になったからな。
    文学(小説)

重松清レビュー一覧(25冊)

  1. 『十字架』表紙
    いじめを苦に自殺した中学生。残された者達が十字架を背負って生きる「その後」を追う。重い状況を描きながら、きちんと出口を用意するさすがの重松節。もちろん泣く。「父」にも感情移入できる年齢になったからな。
    文学(小説)
  2. 『きみの友だち』表紙
    「友だち」というものをいろんな角度から描いているが、どれも身に染みる。子供はこの関係性に悩んで育つのだ。最終章の大団円に至るまで、作品のフレームを壊しかねないあざとさがあるのだが、存分泣けるのは確か。
    文学(小説)

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