神宮外苑 - 吉田修一『静かな爆弾』

物語の舞台 - 神宮外苑(東京都 港区)

「そろそろ~、門を~、閉めますので~」

 どこか間延びした声に顔を上げると、「御観兵榎」と名づけられた樹の向こうに竹箒を持った門番が立っている。

冒頭のシーン。男主人公はここで、門番の声に無反応の女性、すぐに耳が不自由と知れる女性と出会います。

明治神宮外苑です。かつて陸軍の練兵場だった時代に、この榎の前に明治天皇の御座所が設けられていたために「御観兵榎(ごかんべいえのき)」という名がついています。現在のものは、台風で倒壊した初代に替わる二代目です。

神宮野球場、絵画館などいろいろな施設がある広い洋風庭園で、新宿区と港区にまたがります。御観兵榎があるあたりは港区。

大通りの銀杏並木が都内の秋の風景として有名です。

掲載日:2012-07-15
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

神宮外苑について

明治神宮外苑(めいじじんぐうがいえん)は、1926年に完成した東京都新宿区霞ヶ丘町と港区北青山にまたがる、スポーツ・文化施設や緑地、公園などからなる一帯。明治神宮が外苑のうち66.2%を保有・管理している。通常は神宮外苑と呼ばれることが多く、さらに「外苑」と略されることもある(外苑前駅など)。

戦後の1945年9月18日からGHQに接収されたものの、1952年3月31日に返還された。聖徳記念絵画館や明治神宮野球場・明治神宮外苑軟式グラウンド・秩父宮ラグビー場のほか、イチョウ並木など多くの樹木がある。行政の都市計画において外苑地区一帯は1950年に東京特別都市計画公園「明治公園」として、1957年には東京都市計画公園「明治公園」として定められた。2030年代にかけて再開発が計画されている(後述)。

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