物語の舞台への旅
[神奈川県][鎌倉市]
藤沢周『武曲』
線路を挟んだ白川の後ろ姿を振り返りながら、自分は一体どうする...
[茨城県][大洗町]
椎名誠『わしらは怪しい雑魚釣り隊 エピソード3』
行き先は茨城県大洗の「アクアワールド=大洗水族館」。ここは五...
[茨城県][牛久市]
宮沢章夫『考えない人』
「牛久の巨大仏は、その手のひらに奈良の大仏が乗るほどでかい」...
[東京都][渋谷区]
星野智幸/小野田維『水族』
浜麦さんの指し示す先には、ジャングルの一部に穴が開いたよう...
[神奈川県][川崎市]
東浩紀/桜坂洋『キャラクターズ』
夕飯どきのショッピングモールは人であふれていた。JR川崎駅に...
[東京都][千代田区]
黒川創『かもめの日』
JR中央線が御茶ノ水駅から神田駅にむかって、神田川ぞいに、古...
[神奈川県][横浜市中区]
柳美里『ゴールドラッシュ』
黄金町は陽光を拒んでいる、というより独自の灼熱を内部に秘めて...
[東京都][福生市]
村上龍『限りなく透明に近いブルー』
松葉杖の男はバスの停留所のベンチに腰かけ、時刻表を見ている。...
[東京都][豊島区]
宮沢章夫『サーチエンジン・システムクラッシュ』
東口の駅前に出現した赤いチョークの線は、サンシャイン通りの中...
[東京都][調布市]
舞城王太郎『阿修羅ガール』
公園に行って帰ってきたのが四時くらい。今七時前。もう三時間く...
[神奈川県][小田原市]
保坂和志『この人の閾』
「小田原、一時」という約束の時間に着いて駅前から電話を入れる...
保坂和志『季節の記憶』
江の電の稲村ガ崎駅を過ぎたところで二股の道を左に曲がって海岸...
[東京都][新宿区]
藤沢周『死亡遊戯』
さくら通りからコマ劇場へ出る通り。四〇代のサラリーマンの足取...
[神奈川県][横浜市西区]
藤沢周『サイゴン・ピックアップ』
同行する者がいる連鉢でなければ、俺は横浜ジョイナスのコインロ...
原田宗典『優しくって少しばか』
「雑司ヶ谷までどれくらいなの? ここから」 「都電で三つめだ...
[東京都][中央区]
藤沢周『箱崎ジャンクション』
室田は両国ジャンクションの分岐を滑るように入って、箱崎に向か...
花村萬月『ブルース』
寿町。簡易宿泊所の街。ドヤ街。 毎年二百人もの行路死亡者...
[東京都][江戸川区]
椎名誠『哀愁の町に霧が降るのだ 上』
克美荘は東京の御茶ノ水から総武線に乗って十五分、小岩という駅...
[神奈川県][横浜市戸塚区]
藤沢周『陽炎の。』
戸塚駅近くの、小さな薄汚い中華料理屋に入って時間を潰した。音...
高橋源一郎『虹の彼方に』
続いてあなたは、「アングル」を深く研究し、横浜でもっとも女の...
阿部和重『インディヴィジュアル・プロジェクション』
道玄坂で、手首に疵痕があるコンビニのパートタイマーが夫らしき...
田口ランディ『モザイク』
歩道橋を降りてハチ公前に向かって人込みの中を歩いていく。反響...
[東京都][世田谷区]
阿部和重『無情の世界』
...T君は、中学生の頃に一度、二子玉川のナムコ・ワンダーエ...
中上健次『十八歳、海へ』
新宿駅東口のビルディングの三階にある、モダンジャズ喫茶店<...
[神奈川県][藤沢市]
藤沢周『オレンジ・アンド・タール』
巨大な古墳とかを思わせる江ノ島を見ると、真ん中あたりで小さく...
[東京都][杉並区]
小林恭二『ゼウスガーデン衰亡史』
一九八四年、下高井戸二丁目十九番の二百坪そこそこの借地からス...
[千葉県][浦安市]
尾崎豊『普通の愛』
彼女がちょっとだけ悲しんだのは、入口にテレビのコマーシャルで...
[東京都][北区]
堀江敏幸『いつか王子駅で』
飛鳥山での花見も忘れ、王子の狐をも恐れず、私はこのひと区間を...
[東京都][港区]
吉田修一『静かな爆弾』
「そろそろ~、門を~、閉めますの...
佐伯一麦『一輪』
おれたちは、山手線で原宿まで行き、代々木公園に向かった。 ...
星野智幸『在日ヲロシヤ人の悲劇』
週刊「ブラザーフッド」雑誌版が発売されてから最初の土曜日、デ...
本谷有希子『あの子の考えることは変』
家は高井戸、と教えると、たまに「あー、あのダイオキシンのね。...
[東京都][府中市]
多和田葉子『犬婿入り』
そもそもこの町には北区と南区のふたつの地区があって、北区は駅...
川崎徹『会話のつづき ロックンローラーへの弔辞』
斎場から道路一本隔てた公園には、ホームレスが住んでいた。(...
[東京都][文京区]
鹿島田真希『ナンバーワン・コンストラクション』
アメリカンもそこそこに、教授は青年を江戸川橋のT聖堂へ連れて...
保坂和志『猫の散歩道』
さいわい私たちには長谷観音の境内があった。一九六〇年代、昭和...
宮沢章夫『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』
「じゃあ、そこを渡って、まっすぐ歩いてください。まっすぐ伸び...
[千葉県][千葉市花見川区]
椎名誠『草の記憶』
境川の中流にある澱粉工場が潰れてしまったので、どんなふうにな...
古川日出男『TYOゴシック』
オペラグラスを両眼に当てた怪物が臨んでいるのは東だ。なぜなら...
伊藤比呂美『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』
夫を連れて、巣鴨に行きました。十二月二十四日のことでござい...
[神奈川県][横浜市港北区]
星野智幸『俺俺』
マックを出てから、日吉駅ビル三階にある「天一書房」でカメラ雑...
岡田利規『わたしたちに許された特別な時間の終わり』
私たちはセンター街の中や、その一品だけ脇道を物色して、いろい...
島田雅彦『佳人の奇遇』
クラシックの殿堂サントリーホールは世界の巨匠に愛されてきた。...
[埼玉県][坂戸市]
佐川光晴『とうさんは、大丈夫』
三月三十日の夕方、私は妻の運転する車で坂戸に向かった。陽二が...
[神奈川県][横浜市鶴見区]
笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』
海芝浦......短いホームの片側に緑の鉄柵だけ、下は海、柵...
[東京都][台東区]
川上未映子『乳と卵』
<花火って色んなん売ってるとこあるん?>と訊くので、や、そん...
[埼玉県][秩父市]
佐川光晴『家族芝居』
存分に声を出しながら善男さんは曲がりくねった峠を越え、秩父市...
舞城王太郎『イキルキス』
八月二十日は日曜日で僕らは渋滞を避けるために朝の五時に起きて...
[東京都][品川区]
前田司郎『夏の水の半魚人』
リンシとはあとから聞いた話によると、林試の森、つまり林業の試...
[東京都][神津島村]
椎名誠『続 怪しい雑魚釣り隊―サバダバサバダバ篇』
神津島は風が強く、やや雨模様。東京よりも寒かった。レンタカー...
高橋源一郎『「悪」と戦う』
さっきと同じように、そのことばが、『ALWAYS 三丁目の夕...
[東京都][国立市]
藤沢周『波羅蜜』
国立の街はすでに夕闇が濃くなっていたが、西の空の地平線近くだ...
[神奈川県][茅ヶ崎市]
佐川光晴『ぼくたちは大人になる』
月曜日の昼すぎに、マンションから茅ヶ崎市役所への道を急ぎなが...
[千葉県][南房総市]
村上春樹『1Q84 BOOK 3』
いつものように東京駅から特急に乗り、館山で普通電車に乗り換え...
舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』
「このまままっすぐ噴水広場渡ると地下道があって線路くぐれるか...
舞城王太郎『ビッチマグネット』
おらほせんがわ夏まつりで気持ちのいい夕焼けの中でサンバ隊を眺...
松浦寿輝『吃水都市』
余丁町から舟町へ、砂土原町から袋町へ、神楽坂から鶴巻町へ、深...
[東京都][八王子市]
島田雅彦『徒然王子 第一部』
二人はシンジュクから中央ラインに乗って、タカヲまでやってきた...
前田司郎『愛でもない青春でもない旅立たない』
品川駅で乗り換え、僕らは大森で降りた。 まず出口がいっぱ...
鴻上尚史『グローブ・ジャングル』
姫岡 私は、渋谷警察署の生活安全総務課の特別室で一日平均10...
藤沢周『キルリアン』
楼門の二階に息を潜めている十六羅漢や、仏堂本尊の宝冠釈迦如来...
[埼玉県][志木市]
佐川光晴『縮んだ愛』
ここの神社は名前を「敷島神社」といい、そう大きな神社ではあり...
[千葉県][銚子市]
古川日出男『ハル、ハル、ハル』
ああ犬吠埼には犬吠埼灯台があるんだわ。あたし。あたしあたしあ...
前田司郎『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』
「地獄に行ってみる?」と咲は言ってみた。 「地獄?」 「五反...
古川日出男『僕たちは歩かない』
カバヤマは原宿の駅で、降りた。 飛び降りた。...
[東京都][青梅市]
村上春樹『1Q84』
二人が降りたのは「二俣尾」という駅だった。駅の名前には聞き覚...
小林恭二『俳句という愉しみ』
河鹿園は、御岳渓谷の断崖に乗り出すように建てられていた。 ...
青木淳悟『四十日と四十夜のメルヘン』
OKマートは一駅隣りの井荻駅にあるのだが、電車を使うと余計に...
[東京都][武蔵野市]
花村萬月『吉祥寺幸荘物語』
吉祥寺駅前からサンロードに入って、すぐに左に折れる。そこがダ...
古川日出男『ルート350』
女の子には――またもや――希望のエリアがあった。メインの入園...
池澤夏樹『キップをなくして』
「まず、東京駅を案内してあげよう」と言って、キミタケさんは扉...
池上永一『シャングリ・ラ』
新大久保の町は堅牢なバリケードの中にある。町の中にダムができ...
宮沢章夫『レンダリングタワー』
いったい、「アップルストア」とはなんだろう。なぜ秋葉原はいけ...
大崎善生『タペストリーホワイト』
荻窪駅からの帰り道、いつもため息をつきながら私はその川のへり...
[東京都][葛飾区]
松浦寿輝『幽』
葛飾の街はまた変哲もない葛飾の街に戻っていた。伽村は土手道を...
[東京都][町田市]
前田司郎『グレート生活アドベンチャー』
ここは鶴川。愛の育たない町。 加奈子の家はアパートだけど...
[群馬県][長野原町]
長嶋有『ジャージの二人』
「北軽井沢の別荘」といえば皆うらやましがるが、実態は昆虫やコ...
岡崎祥久『昨日この世界で』
先ほどの男たちの縄張りへ引き返すことはできない、という反射的...
[神奈川県][真鶴町]
川上弘美『真鶴』
「ゆくんでしょう」女は、はきはきと言った。こんなにはきはきと...
角田光代/岡崎武志『古本道場』
ちょっと、ちょっと! これはいったいどういうこと? ビルの五...
[神奈川県][三浦市]
池澤夏樹『スティル・ライフ』
雨崎が雨だったことは一度もない。一人で行くことが多いが、二人...
松浦寿輝『あやめ 鰈 ひかがみ』
広小路の交差点のすぐ脇の風月堂に入り、ざわざわと混んでいる店...
[東京都][三鷹市]
古川日出男『サマーバケーションEP』
ふたたびはじまった遊歩道でした。そして、はじまりには看板があ...
[群馬県][草津町]
中村航『夏休み』
湯畑に到着すると、そこにはちょっと感動的な光景があった。 ...
[東京都][大田区]
柴田元幸『短篇集 バレンタイン』
戦争でもはじまったのだろうか。川崎で革命が起きたのか。どっち...
[埼玉県][さいたま市緑区]
白石一文『草にすわる』
この冬は近年になく寒いが、洪治の住む家はさいたま市でも岩槻寄...
松浦寿輝『巴』
その夕方、巧緻な罠にかかって身動きがとれなくなった小さな動物...
前田司郎『恋愛の解体と北区の滅亡』
「あのー、五反田ってSMとか有名ですよね」僕は、五反田にたま...
古川日出男『gift』
吉祥寺の東急の屋上にあるカフェで聞いたのだが、妖精というもの...
角田光代『空中庭園』
あたしはラブホテルで仕込まれた子どもであるらしい。どのラブホ...
松浦寿輝『もののたはむれ』
日暮里駅のあたりから山手線の線路に沿って鶯谷の方へ戻ってゆく...
[東京都][目黒区]
古川日出男『LOVE』
川が流れている。タワーのある敷地の、裏側だ。暗喩(メタファー...
橋本治『愛の矢車草』
緑したたる日比谷公園の森の中で、妖精のように木洩れ陽を受け、...
吉田修一『女たちは二度遊ぶ』
小さなフランス料理店を出たあと、井の頭公園を散歩した。ぽつん...
[東京都][中野区]
古川日出男『沈黙』
山手通りを走り、スクーターは駅前のサミットストアの駐輪場にお...
[神奈川県][川崎市中原区]
星野智幸『毒身温泉』
そこでシキシマはおもむろに立ち上がり、「ときに、これから銭...
藤沢周『幻夢』
人も訪れることのない寂れた塔所で交わっている男女は誰だ。 ...
佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』
昭和四十年に淀橋浄水場の操業が停止し、三年後に、ここ、京王プ...
[東京都][荒川区]
栗田有起『お縫い子テルミー』
その次の日から、店に出る前の数時間、生地問屋めぐりをはじめた...
[東京都][江東区]
松浦寿輝『花腐し』
そうだ、このあたり、木場から少々足を伸ばした洲崎の一帯はかつ...
星野智幸『ロンリー・ハーツ・キラー』
昇天峠は奥秩父と上州・信州の境の、諸神山という小さな連山をつ...
古川日出男『中国行きのスロウ・ボートRMX』
ここは徳川将軍家の庭園だ。けど、明治維新をトリガーにして皇室...
舞城王太郎『みんな元気。』
半ばわざと私はクッキーを空から撒く。クッキーにぶつかって怪我...
穂村弘『もしもし、運命の人ですか。』
「最寄り」の駐車場は四谷の路上パーキングなのだ。四谷から新宿...
小林恭二『宇田川心中』
坂は台地の側面に切られており、坂上を見て右手が道玄寺、左手が...
[東京都][小笠原村]
古川日出男『サウンドトラック』
モモタマナが若葉を出す。一九九八年四月、二見港の桟橋に就航ま...
絲山秋子『イッツ・オンリー・トーク』
「ああ、いい街ですね、蒲田。ちょっと歩いただけだけど」 「で...
中村航『ぐるぐるまわるすべり台』
東十条駅に着いた尾崎さんは、青い電車を降りる。北口の改札を抜...
[栃木県][日光市]
岡崎祥久『秒速10センチの越冬』
おれは東照宮は素通りして中禅寺湖のほとりにオートバイを止めた...
吉田修一『春、バーニーズで』
...みんなが国宝の「ねむり猫」を見に行ったとき、なぜかしら...
小島信夫/保坂和志『小説修業』
ぼくは「白十字」に原稿を前にしたあなたを残して、国立の駅の北...
赤坂真理『ミューズ』
喜多見の電車基地は、駅ではない。電鉄会社の小田急が建設したも...
阿部和重『プラスティック・ソウル』
みんな初対面どうしであるため決定は難航するかとも思われたが、...
高橋源一郎『私生活』
ゴールデンウイークに竹下通りまで歩いて行ったら、ラッシュアワ...
岡崎祥久『バンビーノ』
あの日、おれは電車に乗って新宿の西口へ行った。ヨドバシカメラ...
白石一文『すぐそばの彼方』
帳簿の備考欄に記された洋子のメモによると、その巨額の資金はま...
鈴木清剛『バンビの剥製』
「おかあさんたち、父島に住むわよ」 ぼくはナイフとフォーク...
新井千裕『チューリップ・ガーデンを夢みて』
雪がめずらしく東京に降った日の午後、アタシは動物園にいてカン...
穂村弘『短歌という爆弾』
見慣れているはずの井の頭公園野外劇場は、自分がその上に立って...
友部正人『夜中の鳩』
鎌倉でどこへ行くかは 鎌倉に向かう靴が知っている 鎌倉で道に...
町田康『東京飄然』
江の島に行こうと思って江の島らしい方向へ歩いていくといつの間...
小林恭二『数寄者日記』
大橋茶寮は、一瞬ここが虎ノ門かと疑わせるような閑寂な空間にあ...
戸梶圭太『溺れる魚』
銀座Mデパートの正面玄関を出入りする買物客達が怪訝な顔で彼を...
柳美里『女学生の友』
井草森公園は想像していたよりはるかにひろく、りっぱに造成され...
藤沢周『第二列の男』
そして、また翌日、北鎌倉六国見山の中を歩いて数十分の距離にあ...
[埼玉県][さいたま市中央区]
吉田修一『ランドマーク』
目の前には、その座をもうすぐO-miyaスパイラルに譲ること...
町田康『浄土』
はじめギャオスはJR中央線中野駅北口に面する公園に忽然と姿を...
[埼玉県][さいたま市浦和区]
舞城王太郎『世界は密室でできている。』
ふうん、埼玉か。←いやふうんじゃねえやろ埼玉上陸!僕は新宿の...
角田光代『菊葉荘の幽霊たち』
その日わたしたちが歩いたのは、各駅停車しかとまらない小さな駅...
保坂和志『明け方の猫』
あの日ぼくは江ノ電なんかに乗ったりしないで歩いて鎌倉駅まで行...
[埼玉県][加須市]
宮沢章夫『不在』
埼玉県北埼玉郡北川辺町は県内では唯一、利根川より北にあるが、...
藤沢周『焦痕』
闇であるはずなのに、底一面が発光しているようで、一体何故自分...