国立 - 小島信夫/保坂和志『小説修業』

物語の舞台 - 国立(東京都 国立市)

ぼくは「白十字」に原稿を前にしたあなたを残して、国立の駅の北口から南口にわたって、島田文具店から原稿用紙を買ってもどってくると、あなたはずっと暗い表情をして、「読みました」といい、

「先生はイジワルだ」

 と呟いた。

「白十字」はケーキのおいしい喫茶店。南口、大学どおり沿いにも店があるが、文脈から見て北口店でのことか。ぼく=小島信夫、あなた=保坂和志です。

国立駅の赤い三角屋根の駅舎は町のシンボル、ということで駅舎の形をしたチョコレートなんてものも白十字にはあります。その駅舎も、中央線高架化にともなって10月に解体されることが決まりました。保存運動もあるようですが、どうなるんでしょうかね。

掲載日:2006-09-24
国立イメージ
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

国立について

国立市(くにたちし)は、東京都の多摩地域中部に位置する市。

国立町の人口が5万人を超えて、1967年(昭和42年)に市制が施行された。国立町の前身である谷保村(やほむら)北部の森林が大正時代末期に箱根土地により開発され、東京市と多摩地域を結んでいた中央線で、東の分寺駅と西の川駅から1字ずつ取って、中間につくる新駅(国立駅)とその周辺の地名が「国立」と名付けられた(後述)。


[概要]

市域北部をJR中央線が、中央部やや南寄りをJR南武線と甲州街道が、南部を国道20号 日野バイパスがそれぞれ東西に通っている。中央線の国立駅の南側に一橋大学国立キャンパスが位置し、国立駅から南武線の谷保駅まで真直ぐ

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