午後からゴローを連れ、街道を越して家の東南の方角に位置する牛尾山を目指す。確たる目的があったわけではない。空気の冴え冴えとした秋晴れの日だったので、ふらふらと野に遊び山を彷徨う古代の血が騒いだのだろう。
地図で山科駅から南東にたどると、行者ヶ森、さらに「牛尾観音」とあるのがわかるかと思いますが、引用文中の牛尾山はこのあたりです。家守をしてたのは山科でのことだったのですね。
作中に出てくる話のモチーフなども、このへんの伝承などを敷いていたりする部分もあるのでしょうか。そこまでは分かりませんが。
疎水端の話も多いですし、確かに山科と言われれば山科なのですが、読んでる途中はあまり京風のイメージはなかったので意外です。
掲載日:2006-06-18