阿須賀神社 - 青山真治『雨月物語』

物語の舞台 - 阿須賀神社(和歌山県 新宮市)

いや、町ぐるみで自分を化かしているのではないか、とまで豊雄は想像し、やはりすでに自分の気は違っている、と思いかけ、ふと遠くから目に入った阿須賀神社までふらふらと歩いていった。その石段の前で、もはや神に赦しを乞うて罪を祓い、引き上げるしかないとしたそのときだった。

和歌山県の新宮にある阿須賀神社です。私も行ったことあります。なんの事前知識もなく新宮を歩いてて目についた神社に入ったのがここでした。変わった名前、奈良飛鳥と関係あるんだろうか。とか思いながら、ふーんって帰りました。徐福伝説とも関係してて、また本宮・新宮より古い熊野発祥の地とも言われるところですね。

この作品は、江戸時代の上田秋成『雨月物語』のリメイク作品になりますが、上田秋成版から新宮が舞台になるのですね。中上健次リスペクトの青山真治が舞台として選ぶのは分かるのですが、原典からそうだったというのは、縁というものなんでしょうかね。

引用部は、理想の女性と出会って、もう一度だけ会いたいと追ってやってきた新宮で、彼女が見つからず途方に暮れているシーンです。

掲載日:2012-04-28
阿須賀神社イメージ
(C) km058
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

阿須賀神社について

阿須賀神社(あすかじんじゃ)は和歌山県新宮市にある神社。熊野曼荼羅三十三ヶ所霊場の第23番。


[由緒と歴史]

阿須賀神社は、熊野川河口近くにある蓬莱山と呼ばれる小丘陵の南麓に鎮座する。古くは飛鳥社とも称された。蓬莱山は南北100メートル、東西50メートル、標高48メートルの椀を伏せたような山容で、神奈備の典型とも言うべき姿をしている。熊野速玉大社伝の「新宮本社末社総目録」に上御備・下御備の祭祀遺跡が描かれているように、古くから信仰の対象となっていたと見られる。また、もともとは陸から離れた島であったともされる。

熊野の地において熊野権現はまず神倉神社に降臨し

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