倉敷美観地区 - 椎名誠『日本細末端真実紀行』

物語の舞台 - 倉敷美観地区(岡山県 倉敷市)

うーン、なるほどなるほど、とおれはまたすこし唸った。どうも倉敷というのはこんなふうに「美観地区」の裏側の、非美観地区のほうになかなかいい気分(ムード)のものがあるようなのだ。

今週、私もぶらぶら旅に行ってきた倉敷。

美観地区は、江戸時代の商家や蔵、水路などが整備されているエリアで、キレイはキレイなのですがどうにも作り物っぽさは漂います。映画のセットのような。そんな作り物なんかにだまされてたまるかと吠える若かりし頃の椎名エッセイからの引用です。

表の観光エリアは虚しい風景だけれど裏側はいいねと言っていますが、美観地区の裏側だって実は「観光の視線」を意識しているストリートだったりします。それはまぁ言ってもしようがないところで、そういうものとして愛でるようにしたいものです。

エッセイの書かれた時代(80年代なかば)は若い女の子がきゃあきゃあ言って美観地区に集うような書かれ方をしてるのですが、とりあえず今回見に行ったときにはツアーな中高年だらけの町でした。というか現代の観光地はどこも中高年の団体で溢れていますね。

掲載日:2007-03-11
倉敷美観地区イメージ
(C) othree
※写真はイメージです。地図もイメージであり、写真撮影地点や物語の舞台の特定を意図したものではありません。

図書情報

倉敷美観地区について

倉敷美観地区(くらしきびかんちく、Kurashiki Bikan historical quarter)は、岡山県倉敷市にある町並保存地区・観光地区である。


[概要]

当エリアは倉敷市の美観地区景観条例に基づき定められたもので、同市本町全域、中央1丁目北部(前神町など)、東町・阿知2丁目・鶴形2丁目の各一部が含まれる。広義の美観地区の面積は21.0ヘクタールで、うち伝統的建造物群保存地区(第一種美観地区)が15.0ヘクタール、伝統美観保存地区(第二種美観地区)が6.0ヘクタールとなっている。伝統的建造物群保存地区(倉敷川周辺)は倉敷川畔伝統的建造物群保存地区

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