このカノン砲を『帝国陸軍九六式一五センチカノン砲』などという味気ない名前で呼ぶ者はひとりもいない。村のみんながこう呼ぶのだ。
「キャノン様」と。
沖縄戦後、村を見下ろす高台に残されたカノン砲は、グスクとなり、村の守り神として現代まで信仰されている...という小説です。
実際にはカノン砲がにらみをきかせてる村は沖縄にはない(と思う)のですが、「帝国陸軍九六式一五センチカノン砲」は沖縄県西原町の中央公民館裏手に展示されています。近辺の陣地壕跡から発見されたもの。
小説の舞台となっている村がここであるということではない(小説では明確な地名が出てこず不明瞭)としても、作中で登場するものと同じ砲台が沖縄で見られる場所、です。
掲載日:2011-07-31