コーンウォールへの州境を越えたのは、九時頃だったと存じます。雨が降りはじめる三時間も前のことで、空に浮かんでいる雲は、まだ白くまぶしく輝いておりました。
コーンウォールはイングランド南西端、半島となって突き出たところの先端部にあります。イギリスにおけるリゾートエリアで、ホリデーシーズンには多くの観光客で賑わうところ。
主人公はお屋敷の執事で、休暇をもらい、車で旅に出ます。向かったのがコーンウォール。途中でもあちこち立ち寄ったりアクシデントがあったりと、ロードノベルの要素もあります。回想されるお屋敷の出来事のほうがボリュームも大きいので、旅に出てることも忘れがちではありますが。
掲載日:2011-02-06