文学の触覚展に行ってきた&穂村弘見てきたの話

近況報告

東京都写真美術館で開催中の「文学の触覚」展に行ってきました。先日書いてたとおりですが、文学とメディアアートのコラボレーションということで、しかも私が好きな作家ばかりということで、こりゃ行かねばならんと思い立ちまして。穂村弘のトークがある、というのに時間合わせて行ってきました。

穂村弘と石井陽子の作品は、手を差し出すと手のひらのうえに短歌が降ってくるという展示。プロジェクタで上から投射されてるわけですが、手の動かし方によって反応するプログラムになってます。「火」という文字が手のひらで燃えたりすると(燃えるような音も鳴ります)実際には存在しない熱を感じたりするような、不思議な体験ができます。手からテーブルに落とすと文字が虫のように走り去ったりします。「美」という字は虫に似てるね。

それで、その二人の作家のトークを聞いてきました。穂村弘が自作解説して、今回の展示の背景であったり楽しみ方であったりをガイドしてくれるという贅沢な内容です。初の生穂村、その所在なさげな雰囲気に親近感覚えたりしながら。

短歌って、もとより文字で成立するだけのものじゃなくて、音(朗読)での楽しみ方があったり、あるいは詠まれる「場」によって変化していったり、そういう幅のある芸術形態じゃないですか。だから今回のインスタレーション的な展示も、むしろ自然なあり方だったりするんじゃないか、と思ったりします。

他の展示で気に入ったのは、舞城王太郎の作品が、会期中、いままさに生まれていく・・・という展示。キーボードの動きを記憶・再生する「TypeTrace」という技術で、展示されてるキーボードがカチカチ打ち込まれて画面に文章が生まれていくのですね。内容は舞城王太郎的なだらだらした会話が続いていく薄ーい感じなんですけど(笑)、一度打ったものを消して書き直したり、逡巡してしばらくキーが止まったりするようなところがそのまま見られて、なかなか興味深いものでした。普通の作家は見せたくない部分なんだろうなと思います。

「文学」の表現はまだまだやれることがありますね。そんな気概のある作家を応援していきたいと、改めて思った展示でした。2/17までです。まだの方はぜひ。

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