2004年7~9月

近況報告

池澤夏樹の向き先

『すばらしい新世界』池澤夏樹らしい文明論たる長編小説です。米国同時多発テロに始まったメルマガとその集成本『新世紀へようこそ』、戦地イラクでのルポ『イラクの小さな橋を渡って』などのノンフィクション物だけでなく、アイヌの歴史に迫った『静かな大地』など小説作品においても作家の持論をはっきりと展開する作品が増えてきましたね。

作家による政治的コミットメントは昔から珍しいものではないですし、それは同時代の作家を読む楽しみのひとつではあります。北朝鮮にミサイル打ち込まれても「遺憾です」としか言えないような方々とは違った物言いを作家がしてくれるなら、有用な言説となるはずです。

しかし『スティル・ライフ』からの読者、初期のような色合いの小説を望む人にとっては作風変わってきちゃったなぁと思うのも無理はない感じです。個人的には『マシアス・ギリの失脚』みたいな呪術的世界を深めた物語もまた読んでみたいのですが・・・。

25年前には

村上春樹、デビュー25周年なんですね。新作『アフターダーク』に続き、3ヶ月連続で初期文庫新装されるとのこと。新刊ガイドのほうにも書いたんですが、やっぱり解説さえ入ってないのは記念刊行としては弱い。もちろん編集者も解説入れるべく口説いたと思うんです。そのあたり春樹の信念は動かなかったということでしょうか。

私が春樹に初めて触れたのは92年、『国境の南、太陽の西』を刊行してセケンが「あれ?」とか言ってる頃だったのでまだ10年ちょっとしか付き合ってないわけですが。25年、長いよね。デビュー作『風の歌を聴け』で私が6歳、『ノルウェイの森』で14歳ですか。6歳の頃って何してたろう。

6歳といえばあれですよ、学研まんがひみつシリーズなんか読んでる頃ですよ(←言いながら違うと思った)。思い出しついでに続けると、科学的知識を漫画で楽しく吸収できるシリーズでね、小学校の頃たくさん持ってました。いまだにこの系譜のシリーズが刊行されてるんですね。特に印象に残ってるのは『できる・できないのひみつ』。人気があったんでしょうか、新装版を今でも買える模様。目次見てください↓。

「日本に百階建てのビルを建てられるか?/ちょう高そうビルのてっぺんまでとどくはしご車はできるか?/新幹線より速くて、そう音の出ない列車はできるか?/天気を変えることができるか?/地しんを予知することはできるか?/人間は、どこまで深く海にもぐれるか?/人間は、鳥のように飛ぶことができるか?/地球のうらがわまであなをほって荷物を送れるか?/マイナス何度まで冷やすことができるか?/目げき者のいないひきにげ犯人をつかまえられるか?」

学研『できる・できないのひみつ』

なんかもうこの年になっても興味惹かれます。「新幹線より速くて~」ではレールと車輪の摩擦がとか、「地球のうらがわ~」では重力とはそもそもどういう力なのか、みたいな話があってですね、子供騙しじゃなくてちゃんと解説されてるんです。それを小学校低学年向けに編集可能だという力量、ね。

たまに不意にノスタルジックな心持ちになって古本屋で探すことがあるんですけど、このシリーズなかなか置いてないんですよねぇ。

表紙画像を使わせてください。PartIII

春樹の新作について何か語ろうかと思ってたんですが、読み終わった今となっては特に語ることもないかなと。「面白かったよーおすすめだよー」以外のコトバってあまり言わない主義でもありますし。

なので、話は先日来の表紙画像の流れに戻り。イマドキ不審がられたり怖がられたりすることもないと思うので言いますが、サイトのアクセスログ取ってます。で、表紙使用に関して各社に尋ねた話があちこちのニュースサイトからリンクを張られたのを知ってます。瞬間風速的にすごいアクセスがあって驚いています。JASRACの話以来です。みなさん関心のある話題だったんでしょうか。

JASRACとのやりとりも含め著作権法については勉強したつもりなので、そちら方面から「表紙画像問題」を捕捉してみます。

まず、著作権法でいう引用の規定。条件を満たした正しい引用であるならば無断でコピーしちゃって構わないという規定。この条項で、書評に装幀画像を付けることの正当性はあるかというと、依然グレーだと思うんです。「必然性」あたりで引っかかりそう。

だったら正々堂々尋ねて直接許可をもらうのが一番シンプルなあり方だと思ったわけです。

著作権者は著作物の利用のされ方について、自由に判断できるわけですよ。あんたは使ってよし!でもあんたには許さん!ということも、著作権者が自由に決められる権利をもってます。引用の場合はその権利が制限されるわけですけどね。だから、著作権者に尋ねて許可をもらえればいい。

表紙の著作権は誰が持ってるのか?というと、写真を使っているならカメラマン、イラストならイラストレーターにまずあるでしょうし、デザイナーさんにあるでしょう。作家にあるのかどうかは不明。そういった権利関係が複数に渡り、許可のために誰に尋ねればいいのかがよく分からないので、できれば使って欲しくないというのが「使用不可」という出版社のニュアンスでしょう。まぁ正直なところ、そんな面倒な確認してらんないので全部不可にしときます、というのが正答なんでしょうけどね。

私は出版社にお尋ねしました。あれ? 上記のとおりカメラマンなんかが著作権者になるんじゃないの?

にもかかわらず、許可を出す権利が出版社にあると私は思ってます。つまり、広告や宣伝のために、表紙を自由に使う権利が出版社にあるんじゃないかと。だって、そうでしょ、本の広告をある雑誌に出します、電車の中吊り広告に載せます、販促としてテレビに映ります、というとき、出版社が表紙の著作権者にそのつど許可を取っているわけではなくて、そういった使われ方をするということが、表紙を作る際にはあらかじめ想定されているわけじゃないですか。

本当はカメラマンやデザイナーとの契約書で「(出版社は)販促のため、ほか独自の判断で、各種メディアで自由に書影を使用できる」と明文化しておけばいいんですが、日本は著作権への認識が低いままここまで来てますから、それは多分やってない。でもこういった使い方をするのは「業界の慣習」です。だから、使用に関しては出版社が権利をもつと判断していいんじゃないでしょうか。

と思って尋ねたのが先日来の結果。「ヘンな使われ方もしてないようだし、宣伝になるから、許可しましょう」と皆が判断してくれるはずだと、半ば本気で期待してたんですけどね。ここまで言ってもダメな出版社はダメですか。そうですか。

表紙画像を使わせてください。PartII

前回、各出版社に「表紙画像を使わせてくれ」と問合せを発した結果を書きました。その後さらに問い合わせし、返答をもらったものがありますのでまとめなおします。出版社のサイトから画像をコピーしてくるのも自分が持ってる本をスキャンするのも、どの出版社も同じ対応のようです。

対応方出版社
条件を守れば基本的に使用可能角川書店 岩波書店 祥伝社 扶桑社 マガジンハウス アスキー 筑摩書房 河出書房新社 白水社 早川書房 角川春樹事務所 ベネッセコーポレーション 本の雑誌社 新水社
本ごとに要問合せ(確認後、許可をくれる)朝日新聞社 毎日新聞社 光文社 徳間書店 中央公論新社 みすず書房
使用許可しない新潮社 文藝春秋 幻冬舎
問合せ前に挫折講談社(著作権に関してはメール受け付けない) 小学館(メールで問い合わせても許可しないと明記) 集英社(サイトにメールアドレスなし)

※問合せ中だった扶桑社、中央公論新社、ベネッセから返答を受け追加修正しました。

こう見ると、「大出版社」ほど残念な結果です。そういう意味では角川書店なんかは素晴らしいですがね。

有能な社員がここを見て、「ウチも許可する方向でいきましょう! そうしないと恥ずかしいですよ!」と上長に談判してくれることを期待しつつ。

表紙画像を使わせてください。

表紙画像使用について、出版社に尋ねてみたんです。ウチは「楽天ブックス」と提携してるんで、表紙の画像は楽天ブックスからお借りして使う許可をもらってます。で100字レビュー等に載せてるんですが、画像のない本も多いんです。楽天側で表紙画像もってない本が多い。

表紙って本のイメージや情報を伝えるのにあったほうがいいんで、できるだけ入れたい。なので、これを出版社から直接もらえないかと思った次第。

出版社のサイトに書いてあったお問い合わせ先にこんなメールを投げました。↑のような理由で表紙画像を必要としてると。ついては御社サイトから画像をコピーして使わせてもらうわけにはいかないだろうかと。本の紹介のみに使用すると。こういった趣旨。

各社の対応をまとめてみました。

出版社回答
河出書房新社「画像をふつうにお使いいただく分には、問題ございませんが、次のことを厳守してください。「河出書房新社発行」を明記する、著者名、タイトルを明記する、カバー表1のみ使用、画像の改造は禁じます」
角川書店「1.使用目的が書籍の紹介であること 2.画像サイズが150×220ドット程度(あくまでも程度です)を超えないこと 3.部分をトリミングしないこと 4.(C)角川書店 の表記を入れること 以上の条件を守っていただければご紹介いただいて結構です。」
白水社「小社サイトで掲載されている本の表紙画像を転載していただいてけっこうです。」
光文社「ご使用になる本のタイトルをお知らせください。編集部によって対応が異なります。」→10冊を挙げて使用お願い→文芸編集部、文庫編集部よりそれぞれ了承。「次回掲載時も事前に編集部に許可をとってください。」
朝日新聞社「asahi.comのどちらのページに掲載された書籍の表紙画像をどのようなサイズで掲載なさるのか、下記の申込書と併せて、お送り下さるようお願い致します。」→送る。返答待ち中。申込書には掲載期間なんて書く欄があるのだが、ここはネットなんだから無期限なんだけど・・・。
幻冬舎「使用したい書籍名と著者名をお知らせくださいますでしょうか。」→いくつか具体例挙げほか20冊ほど使いたいのだがと送る→「弊社では公共の媒体以外に個人の方に表紙画像をお貸しすることは、御遠慮させていただいております。」→あれ?多すぎた? なら、こちらでスキャンしたものもだめ?→「同様でご遠慮させて頂いております。」・・・もしかしたら1~2冊ならオーケーだったんでしょうか。
新潮社「お断りさせていただいております。」→こちらでスキャンしたものもだめ?→「画像の出所にかかわりなく、掲載はお断りさせていただいております。」・・・でもさ、じゃ、新潮社サイトで「新潮社ホームページに掲載されている本の表紙画像の転載をご希望の際は、下記[新潮社出版総務室]に直接お問い合わせ下さい。」って書いてあるのはなぜ。
文藝春秋「第三者には、許諾しておりません。」→こちらでスキャンしたものもだめ?→「その通りです。」
本の雑誌社1週間たってもリアクションなし。
講談社著作権に関してはFAXでお尋ねください、とサイトにある。メールで気軽に尋ねんなよって意味ですね。それはそれで面倒なので諦める。
小学館メールで問い合わせられても個別に許可はしない、とサイトに明記してあるので諦める。
中央公論新社サイトにそもそも新刊を除いては画像がない。
筑摩書房サイトが工事中になってて本の詳細情報が表示されない。
集英社サイトに問合せ先が書かれておらず、問い合わせられず。そんなことありうるの?

快諾いただけるところから、取り付く島もないところまで対応ばらばらです。心の中の好きな出版社ランキング変動しますね。特に光文社の対応が好印象、ランクアップです。

べつに官僚的対応な版元を批判するつもりで書いてるわけじゃないですよ。でも出版社の性格が分かってこれはこれで面白いでしょう。

使用を拒む出版社は「著作権保護」が理由です。もちろん装幀は著作物なわけですが、本の紹介のなかで使われる限りにおいてはそれはひとつの「情報」ですよ。定価を表示するのと同じように、表紙を表示するのはあるべき情報でしょ。そのあたりの切り分けというか理解が必要だと思うんですけどね。

だから、使用オーケーって言ってくれた出版社も「装幀には著作権がない」と言ってるわけではなくて、本の紹介ということなら著作権を取り立てて主張はしませんよ、ということ。ね。大人の対応です。

さらにいくつかの版元に追加で問い合わせしてたりするので、それも結果が出たらお伝えしたいと思います。書評サイトを持ってる方は参考にしてください。ただし、これは私がもらった回答なので、そちらはそちらでお尋ねくださいね。

作家人生、叩き売り

山川健一という作家はご存知ですか。100字レビューが70冊分入ってるのを見ていただければ分かるかと思いますが、好きな作家のひとりです。

山川健一が編集長をやってるオンラインマガジンI'M HEREで変わったことやってます。「I'M HERE SHOP」というサイト内オンラインショップで、昔の著書を数点、格安で売ってます。著者自身が主体的に関わる形で、すでに絶版となった自著を安売りしてるという。びっくりしました。そんなことやってる作家初めて見ましたよ。

いま現在、オフィシャルサイトBE HAPPY!トップWHAT'S NEWにその経緯なんかが書いてあるので引用します。(強調筆者)

昔出した2冊のCDブックや「ロックンロールの秘密」などがぼくの部屋に少しのこっているのを見て「これ、安い値段で買えるようにしようよ!」とスタッフが言ったのがきっかけです。絶版になっていない「iNovel Angels 水晶の夜」「iNovel Rocks 蜂の王様」、1年前に出版した「黒革と金の鈴」は定価です。iNovelの2冊をふくめ、250冊ずつぐらいしかのこってませんので、ご希望の方はお早めにどうぞ。なんか、毎日2通ずつぐらい申し込みがきてるようです。なるべくサインを入れるようにします。

サイン本

うう。泣いていいですか。売れ残った本がダンボールで自室にがんがん積んである自費出版作家みたいな絵が浮かんでしまいます。「もう終わった作家」感をそんなに自分で強調することないじゃないですか。「iNovel」ってのも、絶版となってる初期作品を全集的編んで全7巻として予告されてたのに、第一回配本の上記2冊で終了しちゃったという、いわば失敗したプロジェクト。ううぅ。

で、泣いててもしようがないので買ってみました。3冊。3冊ともサインが入ってます。逆に泣けますね。ご希望の方はお早めにどうぞ。

自費出版作家みたいなんていっちゃったんですが、彼のデビュー作『壜の中のメッセージ』が新風舎から文庫で再発されてるんですよ。新風舎っていわゆる自費出版の会社。どういう経緯でここから文庫が出たのかはBE HAPPY!で解説はされてますが、やっぱり自費出版作家に見えちゃいますよ? オーケーなんですか? Keep on Rolling!なんですか?

2ch世代のための

『阿修羅ガール』を数ページ読んだところで頭に浮かんだのはこんな文章。

ヤバイ。宇宙ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
宇宙ヤバイ。
まず広い。もう広いなんてもんじゃない。超広い。
広いとかっても
「東京ドーム20個ぶんくらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ無限。スゲェ!なんか単位とか無いの。何坪とか何?fとかを超越してる。無限だし超広い。
しかも膨張してるらしい。ヤバイよ、膨張だよ。
だって普通は地球とか膨張しないじゃん。だって自分の部屋の廊下がだんだん伸びてったら困るじゃん。トイレとか超遠いとか困るっしょ。
通学路が伸びて、一年のときは徒歩10分だったのに、三年のときは自転車で二時間とか泣くっしょ。
だから地球とか膨張しない。話のわかるヤツだ。
けど宇宙はヤバイ。そんなの気にしない。膨張しまくり。最も遠くから到達する光とか観測してもよくわかんないくらい遠い。ヤバすぎ。
無限っていたけど、もしかしたら有限かもしんない。でも有限って事にすると
「じゃあ、宇宙の端の外側ってナニよ?」
って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと超寒い。約1ケルビン。摂氏で言うと-272℃。ヤバイ。寒すぎ。バナナで釘打つ暇もなく死ぬ。怖い。
それに超何も無い。超ガラガラ。それに超のんびり。億年とか平気で出てくる。億年て。小学生でも言わねぇよ、最近。
なんつっても宇宙は馬力が凄い。無限とか平気だし。
うちらなんて無限とかたかだか積分計算で出てきただけで上手く扱えないから有限にしたり、fと置いてみたり、演算子使ったりするのに、
宇宙は全然平気。無限を無限のまま扱ってる。凄い。ヤバイ。
とにかく貴様ら、宇宙のヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバイ宇宙に出て行ったハッブルとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。

2ちゃんねる

おもわず丸ごと引用してしまいましたが、「懐かしいね」っていう人もいるでしょうし、「ナニコレ?」っていう人もいるかもしれません。

これって2ちゃんねるでテンプレート化されていろんなバージョンでコピペされるお遊び戯れ文。「吉野家」みたいなもんです。って吉野家言われても知らない人は知らないでしょうが。

文体がというよりそのヤサグレた感じ、あるいはヤサグレを演じてる感じが、あるいはヤサグレを演じてることを恥じ入る感じ、あるいはヤサグレを演じてることを恥じ入る気持ちを「コピペだから」で言い訳付けてる感じ、あるいはヤサグレを演じてることを恥じ入る気持ちを「コピペだから」で言い訳付けながらも柔らかな希望が込められている感じが、なおかつ自分はそこにはいないという不在感が、『阿修羅ガール』の温度に近いんです。

小説中には明らかに2chを模した<<天の声>>という巨大匿名掲示板が登場しますが、その話が出てくる前から2chっぽさというか、僕らが生きてるこの時代感覚が。ちなみに舞城とわたし同い年です。「いったい何人のおとなが「阿修羅ガール」を最後まで読めるだろうか。」と宮本輝に言わしめたパワーを皆にも楽しんでほしい。ということでオススメです。

MP3プレイヤ

iPod miniが先日発売になりましたけど買った人いますか? 「日本発売されたら絶対買うぞ」と半年くらい思い続けてたんです、わたし。で、いざ発売となってスペック見たりしてるうちに気が変わって全然違うもの買ってしまいました。iFP-195TC。重要視した項目としては下のような。

スペック比較iPod miniiFP-195TC
容量・タイプ4GBのHDD512MBの内蔵メモリ
オーディオフォーマットMP3・AAC・WAV・AIFFMP3・WMA・ASF
最大連続再生時間8時間24時間
バッテリータイプ内蔵単三
幅x高さx奥行50.8x91.4x12.7mm31x25x82mm
重量104g33g
実売価格3万弱2万弱

まず、ジョギングするのに持っていくという用途を考えたんです。そうすると軽ければ軽いほどいい。iPod miniは軽いとは言ってもまだ重い。でかい。それからHDDタイプは振動に弱かったりするんで、内蔵メモリのほうが走りながら聴いても安定。

それから容量、本家iPodに比べるとminiは小さいわけですが、4Gも要りますかね? 何万曲も入れる必要なんてなくって、飽きたら入れ替えればいい話。

あとは乾電池が使えるかどうかってのも大きい。旅先に持っていくときに充電器も携えていくのはだるい。

というあたりを考えたらiPod miniに対して逡巡し始めて、結局わたしが求めてるのはHDDプレイヤじゃなかったんだ、純然たるMP3プレイヤのほうが合ってるんだと思って上記iFP-195TC買ったんです。

非常に快適です。

というかiPod mini、iPod miniって待ってたのはなんだったんだという。

音楽ファイルで言うと両方MP3は対応してるのでどっちでもいいんですけど、ATRAC3なんて奇抜なフォーマットを強要してるSONY製品はそれゆえに購入検討すらできません。MP3で保管してる人が多数派なユーザへの対応よりも、独自色にこだわるほうがSONY戦略的には得なんでしょうか?

アーカイブとして保存される過去

もはや有名所のようですが、最近、サイトの昔の姿を保存してるWayback Machineというものを知ったのですよ。ここで旅と現代文学。のアドレスをポチッと入れるとかつて「旅と現代文学。」がそうであった顔が見られたりするわけ。

画像がアーカイブされてなかったり(それゆえ現在の同名ファイルを読んできて見た目おかしくなってたり)しますが、面白い。うわー懐かしい!って思います。

1998年オープン当時のものとかあったらよかったんですが、残念ながら2000年以降のものしか僕のサイトはアーカイブされてない模様。年に1度くらいのペースで(飽きるので)デザイン変えてきたんですが、昔のものは手元に残ってないし覚えてもないので、こんなデザインだった頃もあったよな、そういえば。って自分で懐かしい。

ライブカメラで桜を映し、ネット上で花見ができるサイトがある。それこそが僕たちのリアル。」なんてことを言ってみたりする2001年の自分に引っくり返りそうになってみたりと、サイトを長くやってる人だったら自分のサイトを探してみると面白いですよ。

ただもうちょっと言うと、こういうアーカイブって問題も含んでるわけです。例えば公開が望ましくないと判断して閉鎖したサイトもそのまま見られる状態で残っちゃうとか。例えば弊社の権利を侵害してる!ってクレームにより削除したページなのに、アーカイブ上は権利侵害を続けている状態とか。

でも、僕らはもう自分の力じゃ過去を消せない時代に入ってしまったんだと理解させるという意味でも、こういう破壊力のあるシステムは有用。僕らの足跡は全部記録され、保管される。いい行いも悪い行いもね。それこそが僕たちのリアル、だ。

走ってるんです。

走ることにしました。なかなか引きこもらないウエストに立腹してですね、走ることにしました。このまま放置してたんじゃ大変なことになりそうなので、というかすでに大変なので、酢飲んだり、いろいろやってるんですけどね。

結局のところ運動しなきゃどうしようもないだろということで、近所をポコポコ走ってます。

雨の日と飲んで帰った日と疲れてる日とゲームやりたい日を除いて、会社から帰った後に毎日走る。途中お寺の石段駆け上ったりするコースを設定して、MP3プレイヤで音楽聴きながら。まだ2週間くらいですけどね。

で、今日はもう夜10時回ってるんですけども、まだ走ってないのでこれから行ってきます。すれ違ったら応援してあげてください。

今回の芥川賞は。

日曜に更新しようと思いながら、メルマガも含めてやれませんでした。なぜってDIGITAL DEVIL SAGAをやりはじめたからです。

そんなことはいいとして、芥川賞・直木賞が決定しましたね。綿矢・金原の騒ぎも覚めやらぬなか、そういう意味では今回は地味な感じになりました。

きっと、良くも悪くも話題にならないんじゃないかと思います。「介護」というテーマも「はしゃぎづらい」。マスコミがはしゃがない以上、本は売れませんからね。

しかしモブ氏、文春サイトの著者近影、目付き悪すぎです

愛のうたうた

5つ星つけました。『回転ドアは、順番に』。詩集というべきか歌集と呼ぶべきか迷いますが、もしも歌集だとしたら、僕にとって「歌集で泣いた初めての体験」ということになります。

男と女の出会いとその行き先、シンプルなストーリーがあるんですが、最近流行の純愛小説だったら「ありがちね」ってそれほど感動もしなかったような気がします。あるいは少女漫画とかね。珍しくもない展開です。

それが短詩形式だからこそ感じる時間の流れだとか、一語に込められた感情の総量だとかにやられてしまいました。穂村弘はともかく、東直子という人はあまり知らなかったんですが、この二人の言語感覚はすごいですね。

恋愛関係にない(んですよね?)二人が書いた恋歌として、これだけ揺さぶられるなんて、歌人とは恐ろしいものです。

参考所要時間

この前言っていた、本の読書所要時間の目安をさりげなく入れ始めています。過去分まで調査して書くかどうかは未定ですが、これから読む本はすべて、「読み終わるのに何時間かかりました」という私個人の報告として入れていきます。

参考にしたい方はしていただければと。

島田雅彦『死んでも死にきれない王国から』はこれで言うと40分ほど。添付CDがやっぱり40分ほどなので、音楽を聴きながら読むとちょうどいい感じに読み終わるんではないでしょうか。逆に言うと、それぞれ別にやれば2時間くらいは楽しめます。

CD付きの本って僕が持ってるなかにも何冊かありますが、いまの時代、DVDが付いた本ってのもあるんでしょうか。映画化した作品を収めたDVDが付いた小説とか。あるいはそれは「小説付きのDVD」ということになるんでしょうか。