高橋源一郎

高橋源一郎プロフィール&ガイド

高橋源一郎(たかはしげんいちろう)―1951年生まれ(73歳)。広島県尾道市出身。小説家、文芸評論家。

1982年『さようなら、ギャングたち』でデビュー。

1988年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞、2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞、2006年『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』で第16回宮沢賢治賞、2012年『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞受賞。

デビュー当時、ポップ文学、ポストモダンの旗手として脚光を浴びる。文芸時評から競馬評論までこなします。日本文学を背負って立つ人なのに、彼の作品はなぜか続々と絶版になっていて、なんとかしてほしいものだなと思います。『さようなら、ギャングたち』『虹の彼方に』『ジョン・レノン対火星人』の初期作品は講談社文芸文庫として復刊しています。初めて読むならこの順がおすすめ。

関連作家・似てるかも作家:内田樹 穂村弘 鴻上尚史 大江健三郎 村上龍 平野啓一郎 呉智英 柴田元幸 小川洋子 村上春樹

高橋源一郎おすすめ本ベスト5

  1. 『さようなら、ギャングたち』表紙
    衝撃の文壇デビュー作。様々な冗談がつめこまれているが悪ふざけにはならない。すべてはいたってシリアスなのだ。メタフィクションでありながら、終章のカタルシスに向けてあらゆる事象が収束しはじめるのは感動的。
    文学(小説)
  2. 『日本文学盛衰史』表紙
    これまでの仕事を集大成する長編小説。田山花袋が「露骨なる描写」を求めてアダルトビデオを監督したり、明治を通して現在を切り刻むような気概に溢れている。『こころ』の謎に迫る章はそれだけで瞠目すべき論文だ。
    文学(小説)
  3. 『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』表紙
    宮沢賢治の短篇とその精神をモチーフにしながら、全く自由に飛び去る作品群。マジカルな「水仙月の四日」がすげぇ。小説で「言葉」の境界と彼岸にまで到達できるのなら賢治という触媒なんてもう必要ないんじゃない?
    文学(小説)
  4. 『あ・だ・る・と』表紙
    「AVというお仕事」を描いた長編。見かけと装丁はエロ本みたいだけど、勃起している頭に突然押し込まれる人生の深淵。セックスと愛なんて嘯いている場合ではない。こんな純文学見たことない。必ず最後まで読むこと。
    文学(小説)
  5. 『ゴーストバスターズ』表紙
    予告され続けたゴースト小説。西部劇と奥の細道と哀しき正義の味方が時空を超える。滅び行く文学に、終わり行く世界に大いなる愛を。ゴーストは、そして『正義』は見つかるのか。今世紀末の世界文学を代表する傑作。
    文学(小説)

高橋源一郎レビュー一覧(46冊)

  1. 『非常時のことば』表紙
    震災後~を取っ払って文章読本として読めば、ジャン・ジュネも苦海浄土も美しい文章だし『神様2011』の意志にも感じ入るけど、高橋源一郎のことばとしては「震災前から言ってたこと」感がある。ブレないとも言うが。
    文学(エッセイ)
  2. 『「あの日」からぼくが考えている「正しさ」について』表紙
    3.11後のツイッターと文章をまとめたもの。ツイッターのもつ即興演奏的なライブ感がきちんと残ってはいるけど、やっぱり紙には馴染まない言葉選びだったりして、「あの日」の記憶としてのみ保管する本になると思う。
    文学(エッセイ)

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