花村萬月
花村萬月プロフィール&ガイド
花村萬月(はなむらまんげつ)―1955年生まれ(70歳)。東京都出身。小説家。
1989年、『ゴッド・ブレイス物語』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。
1989年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞、1998年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞受賞。
暴力とセックスと愛。テーマはテーマでしっかりしてるんだけれども、下手打つとただグロかったりエロかったりするだけに終始してしまう。それはそれでエンタテイメント的にはオーケーなんでしょうけどね。一番深みを感じる『ブルース』がおすすめです。あと「王国記」シリーズという流れがあり、後付けでシリーズにしてしまったために通しナンバーがハードカバーと文庫とでずれてます。おかしい。
関連作家・似てるかも作家:大沢在昌 井上荒野 湊かなえ 金原ひとみ 高橋克彦 白石一文 笙野頼子 辻村深月 綿矢りさ 多岐川恭
花村萬月おすすめ本ベスト5
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天才ギタリストにしてドヤの住人村上。日本刀を持ったゲイ徳山。ブルースの本質を解する若い才能綾。暴力的な愛情のトライアングルが軋んだ音をたてて転がる。途方もなく重いが呼吸を忘れてしまうため一息で読める。文学(小説)
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クスリ漬けのブンガクさんを仲間に加え、バカスケ共は単車を北へ北へと走らせる。奇妙な人物造型と唐突な暴力、あるいはクサイ台詞。それが魅力となる不思議。なんとなく著者のイメージに近い作品だという気がする。文学(小説)
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大長編哲学小説。ヒモ修行中のイクオが出会う尋常ならざる人物達。美醜は本質的にムゴイものだ。差別することされること、イクオは明暗を流れる。延々繰り返されるセックス描写と黙考が一つの倫理体系を築いている。文学(小説)
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妻に逃げられた冴えない男の失地回復作戦。美しくも哀しいソープ嬢との愛の暮らしでも、人間として妻を追わなければならない。松本などを経由し能登の皆月までの旅風情もある。ヤクザ者の描き方は相変わらずうまい。文学(小説)
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伝説のハード・ブギ・バンド「ゴッド・ブレイス」。ボーカル朝子の一人称で進む物語はどこかぎこちないが、逆に生々しい性が匂っている。青春小説としてキチンとまとまっていて「デビュー作らしい」爽快さを感じる。文学(小説)
花村萬月レビュー一覧(31冊)
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五歳とは思えない言動、というか人物描写がなってないとも映るが、太郎は「神」へ向かう。教子と朦は主人公から降りようとしてる。シリーズの流れの中では伏線を張るために「修道院的」な思想に戻ってきた感がある。文学(小説)
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僕が作ろうとしていた王国、その王は僕ではなかったんだと気づくシリーズ転換点。この物語読み進むのが辛くなってきてた頃だが真の王の登場で繋ぎとめられる。露悪的なジャンが押し出すトーンも新たな展開を運んで。文学(小説)
花村萬月の新刊・近刊
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2025-03-19集英社 集英社文庫(日本)「遠くない未来に、私は死ぬ」。病とは無縁だった著者・花村萬月が、このままでは2年後の生存率が20%の骨髄異形成(こつずい・いけいせい)症候群...
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