大江健三郎

大江健三郎プロフィール&ガイド

大江健三郎(おおえけんざぶろう)―1935年生まれ(86歳)。愛媛県喜多郡大瀬村(現・内子町)出身。小説家。

ノーベル文学賞受賞へ至る文学的偉業は数多。

1958年「飼育」(『死者の奢り』に所収)で第39回芥川賞、1967年『万延元年のフットボール』で第3回谷崎潤一郎賞、1973年『洪水はわが魂に及び』で第26回野間文芸賞、1982年『「雨の木」を聴く女たち』で第34回読売文学賞(小説賞)、1983年『新しい人よ眼ざめよ』で第10回大佛次郎賞、1984年『河馬に噛まれる』で第11回川端康成文学賞、1990年『人生の親戚』で第1回伊藤整文学賞、1994年その活動によりノーベル文学賞および朝日賞受賞。

障害をもって生まれた息子への祈りと、「核」への想いが中期以降の作品に強い陰影を与えてきました。あの時代を作家として生きて、まだ物を書いているということに空恐ろしさすら感じる、まだまだ現役の巨人です。初めて読むにはどれがおすすめかなんてまだ冊数読んでいない僕には言えませんが、『死者の奢り~』なんか初期短編として読みやすいのじゃないかと思います。しっかりとテーマがあって作品ごとに段階を踏んで展開するので、発行順に読まなきゃだめってよく言われます。僕はバラバラに読んでますが。

関連作家・似てるかも作家:安部公房 三島由紀夫 中上健次 川端康成 遠藤周作 太宰治 谷崎潤一郎 筒井康隆 江藤淳 村上龍

大江健三郎おすすめ本ベスト3

  1. 『万延元年のフットボール』表紙
    「乗越え点」たる長編。自死の朱色、万延元年の一揆を再現する陰鬱な祝祭じみた暴動、四国の森の土俗的高揚感、「反社会的な結束」。穴の中へ梯子を降りて行く暗闇が最後まで晴れない。重すぎる荷にヤラれるばかり。
    文学(小説)
  2. 『死者の奢り』表紙
    最初期にあたる短編集。黒人兵を獣のように飼う「飼育」ほか、粘膜質の厚い壁の中で暮しながら、決してそこから逃亡しようとしない僕たちの抉れ方。ぼんやりとした苛立ちを澱のように溜めながら見つめるその眼の先。
    文学(小説)
  3. 『「雨の木」を聴く女たち』表紙
    雨の木(レイン・ツリー)という暗喩に仮託した連作。結果的に連作という形になったのだという嘘も、形を変えながら繰りかえされる死の葉陰からこの結末にたどり着くために重要な布石だろう。雨、南国に降る雨の温度。
    文学(小説)

大江健三郎レビュー一覧(14冊)

  1. 『取り替え子』表紙
    もちろんそんなとこに留まってる小説ではないんだけど、義兄・伊丹十三の自死を主題に、現実に同定可能な事象が並んでて、どうしてもなぞって読む。そうすると松山の回想エピソードを理解しそこねてしまうんだよな。
    文学(小説)
  2. 『宙返り』表紙
    オウムを目撃したうえでの宗教物語。信者を裏切って「宙返り」した師匠と案内人が10年を経て世に打って出る。救いを求める人の心に何の言葉が必要か。再生する集団の絆が揺れあるいは凝縮されてゆく過程が鮮やかだ。
    文学(小説)

大江健三郎の新刊・近刊

  • 大江健三郎『大江健三郎全小説 第13巻』表紙
    大江健三郎
    2019-09-12
    講談社 大江健三郎 全小説
    「たとえ神なしでも私達の教会は『魂のこと』をする場所です」。登場人物の一人一人に著者が自身を重ねて書いた隠れた傑作『宙返り』
  • 大江健三郎『大江健三郎全小説 第12巻』表紙
    大江健三郎
    2019-08-11
    講談社 大江健三郎 全小説
    構想六年! 魂の救済を希求する長編『燃え上がる緑の木』三部作。〔救い主〕の受難と再出発。神なくして「救い」は可能なのか?
  • 大江健三郎『大江健三郎全小説 第11巻』表紙
    大江健三郎
    2019-07-12
    講談社 大江健三郎 全小説
    過激派を材とした『河馬に噛まれる』。彷徨する現代人の魂を描く『懐かしい年への手紙』。青年の活躍を瑞々しく語る『キルプの軍団』