鴻上尚史

鴻上尚史プロフィール&ガイド

鴻上尚史(こうかみしょうじ)―1958年生まれ(65歳)。愛媛県新居浜市出身。劇作家・演出家。

在学中の1981年、大高洋夫らと劇団「第三舞台」旗揚げ。以降すさまじい動員数を誇り一時代を築く。重層構造の世界観と、さりげなく真実を突きつける心象が美しい。「オールナイト・ニッポン」のパーソナリティー、また「SPA!」連載のエッセイも好評を博す。

1995年『スナフキンの手紙』で第39回岸田國士戯曲賞、2009年『グローブ・ジャングル』で第61回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)受賞。

戯曲に抵抗のない人は『トランス』あたりがシンプルなんで入りやすいと思います。第三舞台は終了しましたが、新作舞台はまだあります。しかし舞台はDVDでしか見ていない私です。

関連作家・似てるかも作家:樺沢紫苑 ブレイディみかこ 和田秀樹 鎌田實 高橋源一郎 野田秀樹 宮沢章夫 上野千鶴子 望月衣塑子 田口トモロヲ

鴻上尚史おすすめ本ベスト5

  1. 『パレード旅団』表紙
    『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』を発展改訂した物。いじめられっ子のコミュニティーと解散する家族、二つの世界が同時展開する。コミュニケーションの欠落、役割を演じる社会を扱った意欲作。壮絶だ。
    文学(戯曲)
  2. 『トランス』表紙
    難解だと言われる彼の戯曲の中では非常にわかりやすい一冊。精神科医、患者、ゲイの三人で成り立っている。自分が天皇であるという妄想をもった男を巡り人生の真実がさらりと語られる。現代社会はこんなにも哀しい。
    文学(戯曲)
  3. 『ものがたり降る夜』表紙
    セックスに正面から向き合った戯曲。現代の問題を考える上での立脚点としていくらか民俗学的手法を選び取っている。物語り物語られながら静かに降り積もるセックスの真理。愛なんて甘いことを言ってる場合ではない。
    文学(戯曲)
  4. 『ハルシオン・デイズ』表紙
    自殺系サイトで出逢った三人の今を生きる理由。『トランス』の主題を再変換した戯曲。寄り道なく結末へ走る分かりやすさ。笑えるオカマの分かりやすさ。月から帰ってくる光に照らされて、それが自分の光だと知る日。
    文学(戯曲)
  5. 『朝日のような夕日をつれて』表紙
    第一戯曲集。ゴドーを待ちながら、終わらない遊戯に明け暮れる世界。いや、終わりを遊んでいるのだろうか? 強力な無意味は神の領域だ。同時代的エンタテイメントでありながら、そこから走り去る速度がたまらない。
    文学(戯曲)

鴻上尚史レビュー一覧(68冊)

  1. 『不安を楽しめ!』表紙
    震災を含む2年ほどのSPA!エッセイを収録。国家とか原発とか、論考としても真面目垂直路線だからなのか、中川いさみの絵に遊びの余地が少なくなってるのが残念。でも「デモ」が起こることの喜び、うん、そうだよね。
    文学(エッセイ)
  2. 『深呼吸する惑星』表紙
    第三舞台の封印解除が解散公演となった作品。物語的な深度よりも「ファン感謝」を優先させた感じがはっきりする。けだものや着ぐるみなんてワードで泣ける人向け。終わりのときには身内で静かに語りあうものだしね。
    文学(戯曲)

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