平野啓一郎

平野啓一郎プロフィール&ガイド

平野啓一郎(ひらのけいいちろう)―1975年生まれ(48歳)。愛知県蒲郡市出身。小説家。

1999年デビュー作である『日蝕』で芥川賞、当時最年少の23歳の受章が話題となった。

1999年『日蝕』で第120回芥川賞、2009年『決壊』で芸術選奨新人賞、同年『ドーン』で第19回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2017年『マチネの終わりに』で第2回渡辺淳一文学賞、2018年『ある男』で第70回読売文学賞(小説賞)受賞。

芥川賞を最年少受賞(当時)、難読文体と話題になった『日蝕』、やっぱりすごいです。あえて昔風の書き方するのが楽しかったのでやってみました~って感じにも見えるんだけど、それでちゃんと物語のトーン作りに成功してますしね。ピアスくらいで何をそう騒いでいたのか今となっては不可思議ですが、世間が落ち着くのを待つようにぜんぜん作品出ない時期を置きながら、立派な現代作家になっています。

関連作家・似てるかも作家:三島由紀夫 高橋源一郎 中村文則 角田光代 伊坂幸太郎 山田詠美 原田マハ 宮本輝 小川洋子 江國香織

平野啓一郎おすすめ本ベスト3

  1. 『決壊』表紙
    平凡な家庭を襲うバラバラ殺人事件。「悪魔」というシステムエラーの出現が用意されている社会構造のなか、解釈は間違われ続けて。圧倒的な描写で、社会病理、哲学を詰め込む。しばらく放心するほど重く救われない。
    文学(小説)
  2. 『滴り落ちる時計たちの波紋』表紙
    いろんな人が試し終わった「文学実験」に果敢にも乗り出す短編集。『最後の変身』の印象が強すぎて他が霞むのだが、引き篭る男の濃密な怨念を描きながら精密なカフカ論であるこの一編のためだけにも賞賛されてよい。
    文学(小説)
  3. 『日蝕』表紙
    15世紀南仏。とある神学僧が森に住む錬金術師と出会い、事の真実へと潜ってゆく。両性具有者、魔女、神と悪魔の長編。難解な文体は中世の禍々しくも美しい世界を描ききるために選び取られ、適切な効果を成している。
    文学(小説)

平野啓一郎レビュー一覧(16冊)

  1. 『かたちだけの愛』表紙
    事故で脚を失った女優と、義足をデザインする男との恋愛ストーリー。「魅せる義足」にパリコレとかハイファッションな香りがあって、でもまぁオーソドックスな恋愛小説だな。惹かれあう過程が短く跳んでる気もする。
    文学(小説)
  2. 『ドーン』表紙
    有人火星調査とそれに絡む騒動を描くSF。と見せかけながら政治小説であったりして社会問題がぎちぎちに詰まってる、そしてなおかつ思索的でメタ的な作品、と造りこみ水準が高い。新しい世界の曙光が自信たっぷりに。
    文学(小説)

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