現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『深夜特急 第2便 ペルシャの風』表紙
    インド、ネパール、シルクロード。途中手紙調で描かれるカトマンズの風景、麻薬で死んだヒッピー、沈没する雨の部屋は、この種の旅の危険性を明確に示す。外界への、生への興味を徐々に失って行くオン・ザ・ロード。
    文学(日記・紀行)
  • 『供花』表紙
    アルバム歌詞に書き下ろし詩篇を加えた初の詩集。パンク歌手町田町蔵の熟練した本域。ちゃぶ台をひっくり返す勢いのその言葉、乱雑で繊細な言葉に感応せよ。愚民たる俺たちにできることは世界にツバすることだけだ。
    文学(詩歌)
  • 『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』表紙
    ぎりぎりと心が軋む音がする。私は特別な人間だ(女優だ)という妄信だけが狂気から身を守っている姉は、その絶望の深さに震えるとしてもまだ理解のうち。それより妹の脈絡ない暗闇のほうが怖いよ。戯曲の小説化作品。
    文学(小説)
  • 『火の文学』表紙
    神倉神社の石段を松明を持って駆け下りる荒くれた新宮の祭、お燈まつり。映画化のオリジナル・シナリオ「火まつり」と、実際の祭に飛びこみその興奮を伝える実況中継的インタビューからなる。ハレの日の興奮がいい。
    文学(戯曲)
  • 『誰かが手を、握っているような気がしてならない』表紙
    もちろん意図的な仕掛けなんだけど、話者が急に変わって驚かされることがたびたび。そんな語りの問題を考えたら当然出てくる「神視点」が主人公として実体化してたりもして、小説実験ながらコミカル味が心地よいよ。
    文学(小説)

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