現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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短編集。観察者としての眼が肉体からズレて外側にあるような、著者独特の浮遊感は楽しめる。でも内省も衝動も突き抜けず、文字遊びも余計に世界を小さくしてるような。雫したたる「桃」のエロさは濃密でいいけどね。文学(小説)
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ベルリンの壁の崩壊、湾岸戦争など移ろう時代のエッセイ集。知的ゲリラ、あるいは下半身至上主義者がめぐる世界紀行としていろいろ収録。湾岸戦争における日本の戦争に関する論考は、30歳となった青二才の現在地点。文学(エッセイ)
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三つの聖地へ場所を変えながらの対談集。角川の俳句を主軸に、神話伝承、土着の風景などを解き明かす。コトノハと魂、言葉自体の力を巡り原始にまで降りて行く二人は作家としてすごい位置にまで行ってしまっている。文学(エッセイ)
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家庭の無理解に苛立ちながらパートに出る子持ち主婦と、事件の記憶を封じ込めたまま学生気分の起業家、女同士の交流とすれ違い。安易な共感を拒むような、それでいて身が切れるようなリアリティが人物を厚くしてる。文学(小説)
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生き残った男の、この星との繋がり方2編。贖罪への祈り。得意な分野に引き込んでるゆえの伸びやかさがある。でも天を目指すんじゃなくて地に縛り付けるような俗っぽい展開がまた、作家としての成熟を十分に示して。文学(小説)




