現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『浴室の窓から彼女は』表紙
    ラブストーリー、確かにそうなんだけれど微妙。妄想の小部屋に閉じこもっている男と、妄想を実現させるタイプの女、現実的な妄想のありかたを探してるようだ。作者がウィザードリィ好きであることだけはよく分かる。
    文学(小説)
  • 『ロックンロールミシン』表紙
    インディーズブランドでビックになる友人の夢に感化されてゆくサラリーマン崩れの主人公。終わりと始まりとがミシンのリズムで鳴っている。若さへの甘えも感傷で流してしまえば青春の一ページ、という策略的うまさ。
    文学(小説)
  • 『神様 2011』表紙
    福島原発の事故を受けてデビュー作を改稿。防護服とガイガーカウンターを身につけて散歩に出かけるくまのお話。損なわれてしまったものに対する、誰に向けたらいいのか分からない怒り。ここで生きるしかないんだね。
    文学(小説)
  • 『〇』表紙
    短編集。ゼロが主人公となり自分がゼロ(無)であることを思考する表題作はじめ、ほかも穴が主人公だったりと超常的。なんだか著者のねじれぐあいが垣間見られて興味深い。コピーライターの頭脳ってこうなってるのか。
    文学(小説)
  • 『屈辱ポンチ』表紙
    小品な表題作よりも「けものがれ、俺らの猿と」の方が不埒でよい。これまでのような能動的に路頭に迷う男ではなく、壊れた外部にとりこまれてゆく男の話なのだが、その暴力的な破綻ぶりは小説として失格。てな佳作。
    文学(小説)

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