現代文学100字レビュー
ピックアップレビュー
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グリム童話をアレンジした町田康初の絵本、なんだがややシニカルな側面が出てて、子供向けとは言いかねる。青が基調の絵もやたら怖くて、文とそういう意味ではあってる。マリアさまの「いま忙しい」はセンス良いね。絵本
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娘に息子はアメリカ暮らし、一方母はチベット行脚、そして父・椎名誠は世界中を駆け巡る。流動する家族とその絆を描く私小説。お得意の紀行エッセイがベースだったりするのだが、微妙に涙腺つつくあたりが小説風味?文学(小説)
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秘宝館に廃墟、個人的博物館だとかガイドブックに載らないヤバめのスポットをどかんと紹介。惜しげもなく写真満載。土俗的というか人間のどろどろしたいかんともしがたい部分がこの国のロードサイドを照らしている。歴史
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森が死のうとしている。美しい自然が終わろうとしている。森で暮らす主人公のもとへ届く召集令状。狂った世界なら拒否するだけだと彼は逃げのびる決意をする。終盤は銃撃戦もあるSF的長編。宗教の嘘も主題のひとつ。文学(小説)
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噂の遺稿なのだがここにあるのは「書かれていない小説」の断片。完成していれば相当長い話になるはずで、まさに「自伝的小説」となるものだった。僕らにできるのは匂いを嗅ぐことだけだ。裏切りと不信、愛と祈りの。文学(小説)




