現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『プラスティック・ソウル』表紙
    話者も視点もぐちゃぐちゃに折り重なったドラッギーな作。分裂する自己って初期の方法論をもてあました結果、シンプルな混沌になってる。端的にいってやはり失敗作では…。「解説」が読み方をリードしすぎで鼻白む。
    文学(小説)
  • 『パンク侍、斬られて候』表紙
    謎の宗教腹ふり党と対決する時代小説に見せかけて。自意識が傷つかないよう不戦敗を選ぶニヤニヤ笑いや、自分で物を考えない足の引張りあいを斬捨てる現代批判。パンクのというより社会学者のようなメッセージ色だ。
    文学(小説)
  • 『体に悪いことしてますか』表紙
    スポーツを題材にした短編集。運動を全くたしなまない著者が描くスポーツ小説には、皮肉や裏読みが多量に配合されている。ゴルフ禁止法が成立した後、接待スポーツはどうなるのか、という「ピンポン接待術」がよい。
    文学(小説)
  • 『龍言飛語』表紙
    疲れてるようなエッセイ集。当時の日本情勢を取り上げては溜息ついてまた置いてみる。このテーマで何も語りたくないだけなのか。『五分後の世界』へつながる「日本の無条件降伏が俺にはよくわからない」なんてのも。
    文学(エッセイ)
  • 『波切り草』表紙
    昭和30年代の千葉、海辺の町を舞台とした青春小説。海で暮らす叔父との交流、海の家でのバイト、あるいは小さな恋心だとか、椎名誠の切ない系。喧嘩のシーンがないって言われるまで気づかなかったけど確かに珍しい。
    文学(小説)

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