現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『見仏記 ゴールデンガイド篇』表紙
    連載時から何年も寝かせて熟成した久々の見仏。今回はゴールデンガイド篇だからメジャーどころだけ、と言いながらディープだらけで笑う。特に会津の観光的でない寺々は渋すぎる。ほか奈良京都から和歌山・兵庫など。
    芸術・美術
  • 『豊かに実る灰』表紙
    占い師が切り出したタロットカードが暗示する未来を、作家のインスピレーションで小説化した連作短編。不確定な過去と、想い出のような未来が軋む音調。重苦しい「物語り」はどれだけ現実と寄り添いうるのだろうか?
    文学(小説)
  • 『家族シネマ』表紙
    芥川賞受賞作を含む短編集。崩壊した家族が映画出演のために再び寄り集まる。カメラを通した虚構の家族、その脆い絆を描く装置として見事。読んでいて非常にイライラするが(いじめの「潮合い」は特に)それも手の内。
    文学(小説)
  • 『生きてるものはいないのか』表紙
    人が一人残らず死んでゆく、意味なく死んでゆく、それだけの戯曲。えらく軽みを与えられた「死」に際して、最期に残したい言葉、あるいは混乱の最中の言動を描写する。不条理劇というには笑いが小気味良すぎるけど。
    文学(戯曲)
  • 『独学魔法ノート』表紙
    魔法に憧れる中学生。少年期の世界拡大物語として微妙なとこで成立してる。ファンタジーでなく、かといってリアリティもない、思考実験に近い青春小説。大人になるってのはカップを立てられることじゃないんだよね。
    文学(小説)

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