現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『ジョン万作の逃亡』表紙
    小説家としてのデビュー作「ラジャダムナン・キック」を含む短編集。新しいオモチャで遊ぶ腕白小僧のようなはしゃぎぶりが楽しい。重機が叫ぶ「ブンガク的工事現場」の無茶な世界設定も小説を書くという喜びの濁流。
    文学(小説)
  • 『胃袋を買いに。』表紙
    SF三部作の手応えを受けての意識的な超常小説集。お盆に戻ってきた死んだおばあちゃん、エレベータに閉じ込められた女の狂気、沈む家に口臭の男。現実に寄り添った非現実の痙攣ぎみな足音を聞け。そこに出口はない。
    文学(小説)
  • 『あの子の考えることは変』表紙
    「エキセントリックな女」小説。対話のノリが演劇的すぎ。ここでドッときて一転して静まり返る、みたいな客席のリアクションを主人公たちが待って動いてる。小説としては寒いとも新しいとも言う。無類に楽しいけど。
    文学(小説)
  • 『グラスホッパー』表紙
    押し屋、自殺屋、いろんな殺し屋たちの異種格闘技戦みたいになってる。そういう絡みの面白さはあるんだけど、そこまでというか、もう少し広がるのを期待したけど。「鈴木」にもっと「復讐熱」があったら違ったかも。
    文学(小説)
  • 『すべての男は消耗品である。』表紙
    自立しない男とブスな女を徹底的に叩きつつ無目的に人をぐったりさせるエッセイ集。生き方指南ではなく全くの放言だが読み物としてはいい。その趣旨に賛同するかどうかは別として一刀両断の物言いは気持ちいいから。
    文学(エッセイ)

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