現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『まあじゃんほうろうき』表紙
    うら若き女性による人生ぶち壊し型突撃実録物としては恐らくは最初期の麻雀漫画。覚えたてのヘボぶりからヤクザ風大人達のなかで明るく泥沼化してゆく過程は、麻雀を知らない人でも笑えるのでは。絵の線も若い感じ。
    芸術・美術
  • 『温かなお皿』表紙
    少女漫画だ、といったら怒られてしまうんだろうか。人物の描線を邪魔しないように控えめな背景画と、淡く霧散する語尾。細部へのこだわりもうまく溶け込めるふわりとしたトーンで統一され、控えめに主張する短編集。
    文学(小説)
  • 『生きてるものはいないのか』表紙
    人が一人残らず死んでゆく、意味なく死んでゆく、それだけの戯曲。えらく軽みを与えられた「死」に際して、最期に残したい言葉、あるいは混乱の最中の言動を描写する。不条理劇というには笑いが小気味良すぎるけど。
    文学(戯曲)
  • 『酔眼装置のあるところ』表紙
    巻末に「この本の中で著者が読んだ本一覧」が付くほど本に関しての話題ばかりのエッセイ集。書評ではなく生活に密着した読書習慣という風情。屋根裏部屋にたまった雑誌類を一念発起処分してゆく哀愁ある背中がよい。
    文学(エッセイ)
  • 『甘い水』表紙
    甘い水だけを飲んで生きる、天使的な存在。曖昧な、でも厳格な役割があって、仮初めの親子を輪廻し、だから自分も他人も区別がなかったりする、フラットな楽園。こんなフワフワに説得力を持たせるのは難しい技だよ。
    文学(小説)

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