現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『ぶらんこ乗り』表紙
    声を失った弟の創作ノート。「手をつないだままではいられない」空中ブランコ乗りとか「ハトのたま」とか、彼の物語が定型的でありながら新鮮。何層にもなった喪失感、でも前向きな余韻が残る構成が心に響きまくる。
    文学(小説)
  • 『スタア』表紙
    バラエティで生き延びる元アイドルを軸に、芸能界の光と影(ってなんだ)を描く長編。自分と似たタイプの芸能人に人気を奪われてゆく現実はすべて取り替え可能。著者らしいスパイスはあるけれど、オーソドックスな作。
    文学(小説)
  • 『象工場のハッピーエンド』表紙
    軽いタッチの短文。双子や羊男が再登場したり象を作る工場だったり万年筆だったりするが、ここでは文章よりも、やはり軽いタッチの安西水丸のイラストレーションがいい。巻末の対談「襖絵事件」もいいね。猫を放つ。
    文学(エッセイ)
  • 『2999年のゲーム・キッズ』表紙
    子供のことや、記憶や死や、町の外について物思う機械人間たち。未来像としては突出した部分はないんだけれども、童話みたいな柔らかさを醸してる。人肌を捨てても感情の自由という不完全さを善とするこの1000年後。
    文学(小説)
  • 『恋するスターダスト』表紙
    8年ぶりの小説。携帯詩人と逆上がりと村おこし、奇妙な小道具を違和感なく積み重ねてゆくテンポのよさは相変わらず。普通はもう少し説明が要る部分もすっ飛ばすので宇宙の果てに思いを馳せるのは読み終わった後に。
    文学(小説)

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