現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『夜想曲集』表紙
    男と女の間を、想いを断ち切るように、背中を押すように、流れる音楽。短編集としての小品感はあるし、コメディタッチも唐突だったりするけど、黄昏ゆく者たちの痛みが著者らしいムードを作ってる。入門編としても。
    文学(小説)
  • 『詩なんか知らないけど』表紙
    抑制美の詩集。かんたんなコトバを大切にしながらちょっぴり嬉しかったり悲しかったりする邪気のない詩集。それぞれに自ら解説を付けてるのはヤボだよなぁと思ったら最終的に余韻を残すための手だったりするのだね。
    文学(詩歌)
  • 『春原さんのリコーダー』表紙
    第一歌集。柔らかくて押し付けがましさのない作品たちだが、誠実なふわふわさ。遠い景色を提げてるような遠近感のズレが心地よい。お気に入りはこの歌。「廃村を告げる活字に桃の皮ふれればにじみゆくばかり 来て」
    文学(詩歌)
  • 『家族の時代』表紙
    老いた両親が突然離婚し、それでもこれまでどおり続いてゆく家族の形に騒然とする子供達。やがてその目的は明らかとなる。家族の姿について温かな目を向けながら、的確に描出する長編。その意味では柏木誠治第二弾。
    文学(小説)
  • 『溺れる市民』表紙
    欲望と誘惑が結託したこの街での日常的な転落を描く連作。人肌の水の中、このまま溺れてよいものかと背中を冷たくする必要ももうない。初級編から上級編まで後半になるごとに難度が上がるが僕らは易々と飛び越える。
    文学(小説)

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