現代文学100字レビュー

ピックアップレビュー

  • 『映画に走れ!』表紙
    興行的には失敗だけど評判は悪くない鴻上監督作品「青空に一番近い場所」のシナリオとメイキング。金策に奔走し少ない日数に焦りながらもよく撮れたね。「屋上に原っぱがありひまわりが咲く」絵柄のこだわりだとか。
    芸術・美術
  • 『アンテナ』表紙
    妹が突然消える。その不条理さから身を守るために、母は宗教へ、弟は精神の彼岸へ。そして僕は、僕なりの方法で妹を葬らねばならない。臨床哲学のクールな長編。時代の嗅ぎ分け方も、無駄のない文章も、全部正解だ。
    文学(小説)
  • 『ガリコン式映写装置』表紙
    「あひるのうたがきこえてくるよ。」をめぐる撮影日誌。かと思いきや実際の撮影現場的悶絶はたちまち過ぎ行き、後半は古今東西の映画談義だったりする。それでも「ロケ地に決まり活気付く田舎町」の図はほのぼのと。
    文学(エッセイ)
  • 『眼と太陽』表紙
    「アメリカの女と寝ておかなければならない」「この女と結婚しなくてはならない、と知らされた」って独善的、確信的な語り手。混濁した回想に連れまわされたあげく、でも何も起こってないような気がしてしまう作品。
    文学(小説)
  • 『清水義範ができるまで』表紙
    雑文集ではあるのだが体系的な編集がソツなくて、まとまった読み物を読んだ感覚にはなる。パスティーシュの生まれてくる源泉(だらだらテレビ?)だとか、作風を成り立たせているベーシックなところを真面目に語る。
    文学(エッセイ)

主な作家